【????年。柊モカ】
【????年。柊モカ】
お、お前! よ、よくも『いっか』を!!!!
横たわる『いっか』の隣りを駆け抜ける。もつれる足をなんとか前へ!
ボクは、――宿敵『ブラック・ダド』を前にした。
ボクは、お前を殺して! みんなを救う!
御託はいい。来たまえ。
振り降ろした刃の前に、
ソイツは居なかった。振り返り剣を振り切る!
居ない。
見回すのに居ない! 何処にも『ブラック・ダド』が居ない!!
話にならないな。ソレが、救世主『真紅の狩人』のチカラかい?
!
この瞬間、『ブラック・ダド』は眼前に居た。背筋が凍りつく。
ボクが負けたら! 誰が! 誰がこの世界を守るんでしゅか!! 大人しく死になしゃい!!
刃がその右腕に阻まれた。それはとてつもない硬さを以って剣を封じた。
死ねない! 死ねない!! シニタクナイ!!
誰も、誰も死なせたくない!!
……。
溢れる涙を、ソイツは笑った。
背後で地響きのような音が起こる。恐らく『ホーム・ホルダー』の人達だ! 早くコイツを殺さないと! 殺さないと全てが間に合わない!
何度も、何度も、『ブラック・ダド』の腕を打つ!
この拳がチカラに成りえない! その事実がボクから希望を……。
『ブラック・ダド』が声を漏らした。
誰かと思えばキミか。若き聖女。
振り返った其処に居たのは、
『ホーム・ホルダー』の人間では無く、
モカちゃん!
傷だらけの『なぅ』だった。
ばぅ!
ふみぃ♪
みゃあ!
犬くんや猫ちゃん達、ボクの『家族』だった。
モカ!
剣を手に駆け付けてくれた……『雪』だった。
何のマネだい。『マム』
『ブラック・ダド』。お願いがあります。
『雪』は『ブラック・ダド』を見据えて言った。
『ダド』。彼女達を、……選んでください。
顔を伏せ『雪』は懇願した。
けれど、『ブラック・ダド』が頷く事は無かった。『ブラック・ダド』がボクの剣『ゲイボルグ』を投げ放つ!
なぅ!!
間一髪で間に合った。『なぅ』に刺さろうとした刃を残った腕を犠牲にして阻む。
あああッ!
溢れる赤に意識が遠のく。ボクから、血が抜けていく。
――何処からだろう。――爆音が響いた。
……生きていたかい。
煙を吹いた拳が『ダド』の刃を打った。
……死ねないな。
『いっか』だった。全身から血を流した『いっか』が其処に居た。
まだ。死ねない。
熱を帯びた『いっか』の腕が『ダド』の剣を、――破壊する。
そして、『ブラック・ダド』の鋼の義手を握りつぶした。
伝え足りん。愛する女にまだ、まだ、
……。
……この想い、伝い足らん!
いっかは、その大きな拳(てのひら)で『ブラック・ダド』の鎧を叩き壊した。
ブ、ブラック・ダド強し…!
しかし いっか 生きてたのは個人的に嬉しかったり(*゚▽゚)
あぁ!熱い!外は寒いですが心が燃えます(`・ω・ ;)
しかしアレですね、年内に完結となってしまうと読めなくなってしまうのはファンとしては少し悲しいです(´;ω;`)