【????年。柊なゆた】
【????年。柊なゆた】
雪さん! 怖いのやめて! 私怖いよっ!
止まらない。雪さんは真っ直ぐに歩を進めてくる。無言で私を見ていた。
怖かった。どうしようもない程! けど、そんな私の叫びに応えたモノが在った。
――どうしてだろう。いつの間に乗り込んだのだろう。船の中から家族みんなの足音が轟いた。
わん!
♪
みゃあ。
うにゅ♪
ばぅわ!
ぶっち、みいちゃん、パブロフ! みんな、みんなぁぁ!
私を助ける為に集まってくれた勇士に顔を向ける。どこまでも癒される想いがした。
そんな私達を前に、雪さんの声が静かに響いた。とても悲しそうな音だった。
私は、パープル・マム。時と世界の支配者たるブラック・ダドの脇に立つ者。玖条雪なんて、……初めから居ないのよ。
雪さんの声に敢然と振り向く。母親の名を持つという雪さん、そんな意味は知らない。けれど別の、確かな意味を持って言い切った。
居た!
私には確かな想いが在った。私を見つめる多くの眼(まなこ)が私の視界、この、世界中に在る。私には強く在れる理由があった。
雪さんは居たよ!
腕を大きく振り降ろし雪さんに叫んだ。
私の、モカちゃんの、いっくんの隣で、ずっと見守っていてくれたよっ!
雪さんは淡々と言葉を吐いた。
私はあなた達を欺くために、……居たの。
私は想いを吐き続けた。
笑っていてくれたよっ!
腕で、拳の先で、小さく張った胸で言葉にした。瞳に溜まったモノを超え私は訴える。
なゆ。そう呼んでくれたよっ!
雪さんを視た。
止まらない。止まりたくない! 私は身体全てを使って雪さんを手に入れたかった。
私、雪さんのこと、
伝えたかった。初めて愛しく思えた人に、この優しくも温かい気持ちを。強く為れる力の意味を。
……大好きだよ! それは絶対だよっ!
……。
その距離は2メートル。雪さんの指から白い凶器がゆっくり落ちる。その頬を優しい泉が伝い流れた。
左さんへ。
うわ! も、ものすごく嬉しいです! 私、コメントとか、ほぼほぼ貰わないし、もう、すごい嬉しい!!
よかったら、なゆた達の冒険を、^ - ^もう少しだけ見守ってやってください!