気が付くとユフィの脇に小さくなったハルが居て、何かボソボソと話している。
な!
なんですって!?
気が付くとユフィの脇に小さくなったハルが居て、何かボソボソと話している。
そういう訳で
3000ガロン必要なんす。
アハ、アハハハ、ハハ……
どうやらカチョワロタの男気勝負で負けて、手持ちのガロンが足らなくなったようだ。
シャインはプロチータで使うガロンを集める回収棒をわし掴みにして、怒りの炎を目に宿して吠える。
っくぉおのぉ~
ッドアホー!!
ハルの後方から脳天に向けて、振り下ろされる回収棒。
ズゲンッと鈍い音と共に回収棒が二つに折れる。頭を抑え悶え転がるハル。それを見ていた隣のディーラーが駆け寄り、回収棒の弁償を請求してきた。シャインはテヘッと舌を出して、ユフィに謝る素振りを見せた。
さらに、バーカウンターから店員が駆け寄ってくる。タラトの飲食代金の請求だ。訳もわからず良いものを食べていたらしい……
ダナンの負け分
33,000ガロン
ハルの負け分
3,000ガロン
回収棒の弁償
880ガロン
タラトの飲食代金
915ガロン
合計37,795ガロン
掻き集めていた軍資金37,800ガロンのほぼ全てが綺麗に無くなってしまった。
残りは5ガロン。酒場でオークバーグすら注文出来ない額だ。当然この金額では、カジノでの賭博は不可能で、カジノで5万ガロン作る目標は行き詰まりとなった。
酒場に戻ったユフィ達は、カウンターとその傍にあるテーブル二つに適当に座る。大敗どころか所持金が5ガロンになるという現状。気だるそうに座るメンバーが殆どだった。
その浮かない顔を見て取り、コフィンが両目に右手を当て天井に顔を向ける。予想通りの結果に言葉もないようだ。アリスが大きく笑いながらコフィンの肩を叩いている。実に楽しそうだ。
そして最後まで座っていなかったジュピターが、気怠そうに座るメンバーに話しはじめた。
ちょっといいか……
オイラ…………
このパーティを抜けるよ。