見て……。
アレがまたお嬢様のお部屋を見上げているわ。

汚らわしい。
早く何処かへ消えてくれないかしら。

あんなケダモノがうろついていたら、お嬢様の御病気がもっと悪くなるじゃない!

旦那様が知ったらどう思われるか……。

キミの家の人達は僕のことを
いつも悪く言うね。

でも僕は気にしない。

キミの笑顔を見られるなら、
他の誰に何を言われたって
僕は平気さ。

キミが窓から僕を見つけて、
手を振ってくれるのを
ずっと待っているよ。

あの日……、
あの暑い夏の日に君と出会って、
僕の世界は明るくなった。

誰からも見向きもされず、
孤独だった僕を救ってくれた。

振り返って笑顔で僕を包み込んでくれた。

優しい人。

僕の大切な人。

キミと触れ合うって想像しただけで
僕の心はボールのように弾むんだよ。

大好きだ!!!

それなのに……

君はちっとも部屋から出てこない。

どうしてかな?

あの日一緒に過ごした後、
キミの家まで着いてきちゃったけど、
それから何日たっただろう……。

もう一度、キミに会いたいよ。

もう一度、キミにキスをするんだ。

そしてもう絶対に離れないんだから。

僕が君を元気にしてあげる

Fin

もう一度、キミに……

facebook twitter
pagetop