次の日に、草原に向かった龍馬とメル。

坂本龍馬

特に何にもないのう。

メル

まぁ、草原って広いですし…すぐに見つかるとも限りませんよ。

坂本龍馬

そういやあ沖田はちゃんと鉱山に行けたがか?

メル

途中まで道も同じですし、ほぼ一本道ですから迷わないと思いますよ。

~鉱山~

沖田総司

ここが鉱山か…

辺り一面に広がる岩の中に、密かに光る鉱石が見えるのを確認した沖田。

沖田総司

よし。少しもらっておこう。
入口には『出入り自由』と書いてあったしな。

沖田総司

これは………
あいつの装備に使われているのと同じ物だな。

沖田総司

くっ、もっと良い鉱石は無いのか?
にしてもホコリっぽいな…こほっ。

フェイド

お前、そんな所で何をしてるんだ

沖田総司

おっと、人か。鉱石を取ろうと思っていた所だ。

フェイド

この鉱山の鉱石はほとんど取りつくされてる。また鉱石が生え始めるまではこの状態だぞ

沖田総司

鉱石が…生える?

フェイド

ああ、ニュって生えてくるんだ。不思議だろ?

フェイド

…で、お前何者だ?見た事ないなその服。

沖田総司

私は沖田総司と言う者だ。訳あってこの近くの町に飛ばされてしまい、帰る方法を探している途中だ。

フェイド

飛ばされる?

沖田総司

ああ、草原に気づいたらいたんだ。

フェイド

……鉱石なら後で分けてやるから、一緒に草原に行くか?心当たりがある。

沖田総司

心当たりが?本当か?!

フェイド

とりあえず、お前は怪しくなさそうだからな。

草むらを掻き分ける龍馬とメル。

坂本龍馬

全く見つからんぜよ……

メル

そうですね……

沖田総司

そうそう、確かこの辺りだったな。

フェイド

この辺に現れたとなると……
って、メル?

メル

フェイドさん!!

坂本龍馬

お?知り合いがか?

フェイド

何故その男とくっついてるんだ、離れろメル!

メル

くっついてたわけじゃ…

坂本龍馬

おまん急に割り込んで来たが、誰ぜよ?

フェイド

貴様っ、俺のメルと何イチャイチャしてたんだ!!

沖田総司

まさか…メルの恋人か?

フェイド

沖田総司、お前もメルの知り合いになっていたのか!やっぱり異界から来た奴は信用ならない!!

剣を取り出したフェイド。

坂本龍馬

落ち着くぜよ、その刀をしまうんじゃ!

フェイド

問答無用!斬る!!

メル

私の為に争わないで下さい~~!!

フェイド

…はぁ。
ただ協力してただけだって?

メル

二人が帰れないと困るじゃないですか。

坂本龍馬

困った男ぜよ…

沖田総司

そういえば先ほど、『異界』という言葉を言っていた気がするのだが。異界とは?

フェイド

別の国から稀に来る奴がいるんだ。
お前らもきっとその類だと思う。

坂本龍馬

まっことその通りぜよ。

フェイド

この前来た奴らは、バグに怯えて俺を頼る始末。そいつらは気づいたら消えてたよ。

沖田総司

気づいたら消える?元の世界に帰れたという事でいいのか?

フェイド

それについては知らん

坂本龍馬

じゃがわしはメルに助けられた。だからバグに困っているメルを救ってやろうと思ったぜよ。それ位ならええじゃろう?

フェイド

それで、メルもこの男が帰れるように手助けしていた、と。なるほどなぁ俺がいない間に色々あったみたいだな?

メル

ごめんなさいね、嫉妬深い人で。この人これでも魔法剣士なんですよ。

坂本龍馬

ほぉー、魔法剣士のう…

坂本龍馬

って、そりゃ国一番の魔法剣士とか言う奴の事がか!?

フェイド

……?ああ、国一番の魔法剣士は俺だ。何か文句でも?

沖田総司

凄く残念に思う。

フェイド

国で一番強い奴の人格まで完璧な必要はないだろ!

沖田総司

その『気づいたら消えていた異界の者』は、何もしなかった故に帰れたのか、それとも何者かに用済みとして消されたのか…

坂本龍馬

つまり…わしらはバグを直し国を救うのとバグを放っておく、どっちをすりゃあええがかって話ぜよ?

坂本龍馬

そりゃあ決まってるぜよ。
バグを直してメルも国も全て救うに決まってるぜよ!

フェイド

恐らく、正解の道はそっちだろうな

メル

じゃあ、このままバグを直し続ければきっと…帰れるんですね?

沖田総司

そうだろう。

坂本龍馬

んじゃー戻るぜよ!バグが出てたら大変じゃき!

正解の道を信じて、歩む方向を決めた龍馬たちであった。

???

フェイドに会ったか……
では、次は奴を出すとしよう。

ウィードラゴン

ギャシャアアアアアアア!!

???

想定外のバグを仕込んでおいた……果たして倒せるかな?

謎の人物の思惑やいかに……。

わしとおまんで昆虫採集 第六章

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