防具を作ってもらった龍馬は、メル・沖田総司と共に次の目的地「錬金屋」を目指していた。

坂本龍馬

沖田、おまんは装備作ってもらわなくてええがか?

沖田総司

まぁ、そのうち作るだろうな…この町にどんな脅威があるか分からないが。

メル

脅威と言えば、たまに怪物が町を襲撃する事があるんですよ。それくらいですね。

坂本龍馬

怪物の襲撃で『それくらい』で済むがか!?

メル

はい、国一番の魔法剣士さんがいますから安全なんです。

沖田総司

魔法…剣士?魔法とは?

メル

魔法というのは、属性を使った特殊な力の事です。
魔法剣士さんは、普段は見回りに出ていて会えないんですけどね。

坂本龍馬

じゃあわしの風の拳も魔法ぜよ!

メル

あ、いえ、そういうのはただの属性付きの攻撃ってだけで……うーん、説明が難しい。

~錬金屋~

メル

ここが錬金屋さんです。

沖田総司

……錬金とは?

メル

物と物を混ぜ合わせて新しい物を作り出したり、金なんかも作れるんですよ。

坂本龍馬

おー便利じゃのう!

錬金屋

いらっしゃい。
何を作りたいのかえ?

坂本龍馬

武器や防具の『属性』ってここで増やせるがか?

錬金屋

『属性のモト』を持ってきてくれれば装備と混ぜて属性を付けてあげられるよ。

メル

滅多に手に入らないので、装備を作った時の属性で済ませる人も多いですけどね。

沖田総司

錬金は純粋な強化ではなく、別の物に作り替えてしまうのか?

錬金屋

まぁ、そうだねえ。強化したかったら鍛冶屋に行きなさいな。

メル

どうします?
何か試しに作ってみますか?

坂本龍馬

じゃー試しに鉱石とそこら辺で拾った玉っころを混ぜてみるぜよ!

メル

鉱石、もらってきてたんですか!?

坂本龍馬

増えすぎて困っちょったからのう。少し分けてくれたぜよ。

沖田総司

にしても綺麗な玉だな…本当に石なのか?

錬金屋

それじゃあ、混ぜてみるかい?100Gだよ。

メル

私が払っておきますから、混ぜてみましょうか!

坂本龍馬

またタダで混ぜよったら
わしが帳簿探して来んと…

十分後

錬金屋

ほら、出来たよ。

メル

こ、これは……宝石!?

坂本龍馬

どんな効果があるんじゃ?

メル

火や炎を司っている宝石のようです。売ると大金になりますし強化素材になりますよ…!

沖田総司

売るのか?強化に使うのか?

坂本龍馬

そりゃーもちろんわしの防具の強化ぜよ!

沖田総司

ますます強くなっていくな…少し防具の素材の入手方法について考えねば。

錬金屋

いやあ、宝石が生まれるなんて珍しいねえ。

メル

…今回は、バグ起こりませんでしたね。

沖田総司

起こらない方がいいのだろう?

メル

そうなんですけど…あまりにもバグに遭遇していると、少し違和感を覚えます。

龍馬は、少し考え込むと、メルの方を向いて口を開いた。

坂本龍馬

…よし!!わしゃあ決めたぜよ!
怪物が攻めてきてもメルを守れるような男になるのがこの国での目標じゃ!

メル

えっ?

坂本龍馬

言っちょったじゃろう、メルに恩を返したいってのう!

沖田総司

義理堅い男だな、お前は…
少し見直したぞ。

坂本龍馬

そういやあ、沖田おまんも装備を揃えたいとか言っちょったな。次は鉱山にでも行くが?

沖田総司

それもありだが……もう少しこの土地について知りたい事もあるしな。帰る方法も探さねば。

メル

二人とも、草原から来たんですよね?草原に行けば何か分かるんじゃ…

坂本龍馬

じゃーわしとメルで草原、沖田おまんは一人で鉱山に行っちょき!!

沖田総司

さっきの話聞いてたか?!
…まぁ、そちらで帰る方法を調べてくれるのならば、鉱山に行くのも手だな。

その頃、鉱山には一人の男が居た。

フェイド

…ふう、
そろそろ怪物の数も減って来たか。

フェイド

メル、待ってろよ…今帰るからな!

バグの無い夜に、波乱が始まりそうである。

わしとおまんで昆虫採集 第五章

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