新たに沖田総司も仲間に加わり、フォレスの国を堪能している龍馬たち。

坂本龍馬

いやー時間が元に戻ってよかったのう!

メル

あんなバグ、初めてでしたけどね……。

沖田総司

そのバグという現象を解明させ、元に戻すのが我々神隠しにあった人間の使命なのか……?

坂本龍馬

かもしれんが、まぁとりあえず固く考えんでもええじゃろう。

メル

……そういえば、私思ったんですけど
この国の私以外の人は、バグの事に気づいてないみたいなんですよね。どうしてでしょうか?

沖田総司

逆に考えてみるんだ。
きっと貴方にはバグに気づける力が備わっているのだろう。嬉しい事じゃないのか?

メル

いえ…バグが起きている人とかを見ると、どうも嫌というか複雑な気持ちになるんです。
本当なら私もバグに気づかないままバグに襲われてれば良かったなぁ……。

沖田総司

そうか……複雑なんだな。

坂本龍馬

くよくよせんで、次のバグもわしらが解決してやるから安心せえ!男二人に任せるぜよ!

沖田総司

おい、お前が勝手に男二人って宣言するな。まぁ救うつもりだが。

メル

ここが鍛冶屋の工房ですね。以前は無限に鉄が増えていくバグがありまして…

まるで倍になる魔法がかけられたかのように増えていく、青い鉱石。

メル

ふ、増えてる~~!!?

鍛冶屋

おい大変だ、手伝ってくれ!このままじゃ工房が鉱石まみれになっちまう!!

沖田総司

決して純度は良くないが、大量生産できるじゃないか。

メル

何言ってるんですか、炉の中まで鉱石が入っていったら溶けだした鉱石で足元がドロドロのあっちっちですよ!?
(鍛冶屋の店主さん談)

坂本龍馬

こりゃ怪我せんように気をつけんと……
どこから生まれたんじゃこの鉱石!

鍛冶屋

あの机に置いてあったのが最初…って、机見えるかお前ら?!

既に机は鉱石で埋もれていた。

坂本龍馬

こうなりゃ怪我も承知ぜよ!!

メル

龍馬さん!!

沖田総司

おい馬鹿、肌が切れるぞ!!

机の上にある鉱石を片っ端からどかしていく龍馬。

坂本龍馬

最初にあった鉱石は…これじゃあ!!
止まれぇぇぇぇ!!

手で、大元の鉱石を強く抑えつけると、
増量された鉱石たちは一気に外へ広がる勢いを失ってその場に崩れ落ちた。

坂本龍馬

はぁ、はぁ…止まったがか?

メル

りょ、龍馬さん……なんて無茶な事を……、お怪我は大丈夫ですか?!

坂本龍馬

これくらいどうって事ないぜよ。かすり傷程度じゃ!

沖田総司

どう見ても切り傷だらけじゃないか。

鍛冶屋

すまないねぇ旦那、お詫びと言っちゃなんだが装備をサービスして無料で作ってやるよ。

坂本龍馬

おお、刀ぜよ?それとも銃が?

鍛冶屋

旦那のような、はだけた服の人にピッタリな
胸当・籠手・臑(すね)当のセットだ!

沖田総司

防具か。この際作ってもらえ、お前無防備過ぎるぞ。

坂本龍馬

まっことありがたいぜよ~!!

メル

防御力が上がって、これで何があっても怪我しませんね!

坂本龍馬

ま、わしにはこの愛刀があるしのう!攻撃面は問題ないぜよ!

鍛冶屋

ただ……この大量の鉱石から作るから、性能が良くないのは我慢してくれよ?

沖田総司

私はそっちには詳しくないが、やはり、鉱石の質で動きやすさが変わるのか?

鍛冶屋

うーん、追加効果がつくかつかないか、ぐらいかねぇ。

坂本龍馬

追加効果って何ぜよ。

メル

『炎に強い』とか『雷属性』とか特別な効果が表れる装備があるんですよ。鉱石の質で現れやすさが変わりますけど。

沖田総司

炎に強いのは分かるが、雷属性とは?

鍛冶屋

まぁ簡単に言やぁ雷を込めた攻撃が出せるとか、そういう事が出来るんだ。

坂本龍馬

自然の力を味方に……!そりゃあまっこと頼りになりそうぜよ!ほいたら早く作るぜよ!

鍛冶屋

あいよ!追加効果には期待しないで欲しいが、少し待っててくれ!

待つ間、メルに薬を使って切り傷を回復してもらう事にした龍馬。

沖田総司

属性でこの町は守られてきたんだな。
鍛冶場の男は炎に強い物を使い、
野外活動をする人々は雷や突風などの自然災害に耐えられる属性の装備を使う。

メル

そういう事です!

坂本龍馬

楽しみぜよ~!

沖田総司

もう回復したのかお前は…

坂本龍馬

ピンピンぜよ!

そして鍛冶屋から店主が出てくると、胸当・籠手・臑当を龍馬に手渡した。

鍛冶屋

臑当には何も付かなかったが、胸当に炎耐性、籠手に風属性が付いたぞ!
運が良かったな!

坂本龍馬

よっしゃあ!風の拳が撃てるぜよー!

メル

おめでとうございます!

沖田総司

そのうち、性能の良い物に取り替えたりするのか?

坂本龍馬

いや、折角作ってもらった装備じゃ。しばらくはこのままでいくぜよ!

沖田総司

まぁ、我々にはここで使えそうな金が無いしな…。

メル

いや、お金なら手に入りますよ。
バグを解決したお礼としてもらえばいいんです!

坂本龍馬

いやいや、わしは恩を返したいだけじゃ。そこまでせんでもええぜよ。

沖田総司

ここで生きる以上、もらっておいてもいいんじゃないか?既に彼女の家にタダで泊まっているんだろう?お前は。

坂本龍馬

そ、それは言わん話ぜよ……

つづく

わしとおまんで昆虫採集 第四章

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