メル

龍馬さん、そういえば妙な気を感じませんか?
誰かにつけられているかのような。

坂本龍馬

気のせいじゃろうきっと。

沖田総司

坂本龍馬ァァ!!

沖田総司

ごほっごほっ!!

坂本龍馬

な、おまんは沖田!どうしてこがな所におるがか!?

沖田総司

げほっ……
神隠しの一件を追っていたら、見知らぬ町に……。ごほっ。
って、何でお前に言う必要があるんだ?

メル

え、えーと……知り合いの方ですか?

坂本龍馬

わしを追ってきゆう役人の男ぜよ。

メル

えっ!?じゃあ龍馬さん、悪人だったんですか!?

沖田総司

ああ、コイツは幕府に歯向かう藩同士に同盟を組ませるよう仕向けた男だ!

メル

ば…幕府??藩??

坂本龍馬

んな事メルに言っても分からんじゃろう!それよりメルとわしの手伝いをしてくれんか?一時休戦ぜよ。

沖田総司

女、メルと言うのか。とにかくコイツは私の組織の敵で、敵対関係にあるという事だけ覚えておいてくれ。

メル

まぁ、色んな考えがありますよね世の中って……。分かりました。でも龍馬さんはもう友達ですから。

坂本龍馬

おーそうじゃ友達ぜよ!

沖田総司

まったく。女を味方につけたな?で、今の今までこの町で何をしていたんだ?

坂本龍馬

ばぐ探しぜよ。

沖田総司

ばぐ…。蘭語か?

メル

この国で時々起こる現象でして……。人が消えたり、おかしな事が起こる物を総じてバグと呼んでいます。いつ言い出したかは不明ですけど。

沖田総司

人が消える?それは今調べている事件に関係がありそうだな。
よし、坂本が関連しているのは解せないが手伝おう。

坂本龍馬

この国からするとわしらを襲った神隠しは『人が現れた』じゃろうに…しかしまっこと馴染んどるぜよ。

メル

?!
急に夕方に…!?

沖田総司

何だ!?これがバグとやらか?!

坂本龍馬

もう夜ぜよ!!何が起きちょるんじゃ!?

沖田総司

時の流れが速くなっているのか?!

メル

のようです…もう、朝が来ますね

坂本龍馬

時間のばぐなんてどう解決すればええんじゃ!

メル

時間のリズムを突き止めれば何とかなるかもしれません!行動もしやすくなりますし…!

沖田総司

確か…7秒ごとに時間が変わっていたぞ!

坂本龍馬

7秒?まっこと7秒で変わっちょったか?!

沖田総司

ああ、間違いない!

坂本龍馬

じゃあ空にこう叫んでやるぜよ!
数十秒で一日なら人間はあっという間に天国行きじゃとのう!!

メル

……と、止まった?

沖田総司

夜で止まった…か。

坂本龍馬

危うく爺になるところだったのう!

???

沖田総司を入れたのは正解だったか。リズム感覚も良いようだな。

???

問題は、いつこちらの存在に気づくか…
あの解決の早さなら、気づかれてもおかしくはない。

???

…が、まぁいい。
この世界に順応しろ。
真理に気づけ。
私の存在に気づいた時が本当の

???

バグ取りだという事をな。

わしとおまんで昆虫採集 第三章

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