榊原 信也

 おうおう。敵さん、わんさかいるじゃねーか。

 霧咲博士が貸してくれた、探索用のヘリコプターに乗り、俺たちは、目標地点の上空に来ていた。

神宮寺 瑞希

 近くに来ると、敵の多さに驚くわね。

 でも、これだけの多さ、どこから湧いてきたのかしら。

神裂 優斗

 じゃあ、俺は遠慮なく行かせてもらうからな。

 そう言って、優斗はヘリから飛び降りた。

神宮寺 瑞希

 ちょっと、敵の分析をしてからにしないと!

神裂 優斗

 それは、瑞希に任せたー!

榊原 信也

 じゃあ、俺もー。

 そう言い残して、優斗と信也は灰色の霧の中に消えた。

神宮寺 瑞希

 あの二人。いつも勝手に 動くんだから!

 いい? 希ちゃん。チーム戦において、勝手な行動は命取りになる場合もあるの。あなたは、そういう行動はしな…。

神裂 希

 私も行きまーす!

 希が、勢いよく飛び出す。

神宮寺 瑞希

 あはは…。後で三人まとめて死刑ね。

霧裂 静香

 瑞希、笑顔が怖いわ。

神宮寺 瑞希

 作戦担当って、ほんと、嫌な役よね。

 ほら、静香も行ってきなさい。

霧裂 静香

 了解です。

 静香がヘリから飛び降りる。

神宮寺 瑞希

 さてと、やるか!
 敵の親玉はどこかしらー。

 瑞希は手元にあるタブレットを起動して、親玉を捜索し始めた。

 地面に降りた優斗は、魔剣を抜き、簡易デバイスモードで敵と交戦していた。

神裂 優斗

 さて、敵のど真ん中に降りてはみたものの、やたらと多いな。

榊原 信也

 お、珍しく弱気だな。

霧裂 静香

 この辺にいるのは、ただの雑魚でしょう。

神裂 優斗

 ま、まあ…。

 そうなんだが…。あれ? 希はまだ上にいるのか?

 信也が、雷系の魔導で対応する

榊原 信也

 さあ…。俺は優斗のすぐ後に来たから、分からん。

 静香は魔導で弾を作り出し、近づく敵を確実に仕留める。

霧裂 静香

 ああ、希なら、私の前に降りましたよ?

 私は、てっきり、こちらで合流していると思っていたのですが…。

神裂 優斗

 希…。一人でどこ行ってるんだよ。

≪第四十八話:蠢く異型2≫

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