カジノが儲かる理由はそのシステムにある。
カジノに限らず勝ち上がって生き残っていく者は、儲かるシステム、そう勝利のシステムを構築しているのが世の常だ。
そしてカジノの儲かるシステムは、控除率という数字に表れる。
5分の1で当選する確率を的中させた時、4倍の配当しか出さなければ控除率20%と言う事。つまりその20%がカジノの儲けとなるのだ。勿論、強運を持った客が、一時に高配当のを叩き出す事も充分ありえる事だが、客に遊んでもらえればもらうほど、必然的に利益が上がるのだ。
カジノが儲かる理由はそのシステムにある。
カジノに限らず勝ち上がって生き残っていく者は、儲かるシステム、そう勝利のシステムを構築しているのが世の常だ。
そしてカジノの儲かるシステムは、控除率という数字に表れる。
5分の1で当選する確率を的中させた時、4倍の配当しか出さなければ控除率20%と言う事。つまりその20%がカジノの儲けとなるのだ。勿論、強運を持った客が、一時に高配当のを叩き出す事も充分ありえる事だが、客に遊んでもらえればもらうほど、必然的に利益が上がるのだ。
そんな事をロココに熱く語るダナン。
ロココにはどうでもいい話だったが、ダナンの話に永遠と相槌を打っていた。
ボギャム!!
ロココの耳に聞いた事がない鈍い音が届く。
いつまでもつまらない講釈
たれてんじゃないよ
ダナンの背中にアリスからの制裁が加えられた。
ダナンは絨毯の上で悶え苦しみ、ロココは筋肉質なダナンの後背筋からあがる煙を眺めていた。
アリスなら凄い戦略とか
あると思ったのに、
これじゃほんとの
ギャンブルじゃん。
計算高く挑めば軽く稼げると思っていたのに、そうならない雰囲気に歯噛みするシャイン。基本の精神姿勢が、受身で無難に生きていくタイプなので、(本人に言わすと臨機応変)アリスとわざわざ摩擦が起こす事は決してしないのだ。
シャインは自分の持っているガロンを大切にしまい、事の成り行きを見守る体勢に入った。
遊び放題っすか!?
じゃっ、
遠慮なく行ってくるっす。
心配だから
オイラがついていくよ。
真っ先に飛び出したのはハル。キョロキョロしながらそこらのテーブルを覗いて周り始めた。
本当に大丈夫でしょうか。
アデルはギャンブルとは程遠い存在。両手を胸元で組み、ハラハラしながら見守っている。そのアデルの耳に、ハルの声が聞こえてきた。
これが面白そうっすよ!
自分もやるっす。
知らない人が5人いるテーブルの空席に、しゃあしゃあと入りフランクに話し始める。ハルは全くルールの分からないギャンブルや人に臆する事なく、もうゲラゲラ笑いあっていた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
お、ウボヴォンガ!?
久し振り。
この単純さがいいんだよな。
僕はこうゆうのは
苦手なんで
見学しておきます。
んじゃあ~
俺も少しやってみようかな。
リュウとフィンクス、そしてロココはウボヴォンガというゲームのテーブルについたようだ。単純なルールであり、各プレイヤーがそれぞれディーラーと一対一で優劣を決めるゲームだ。
ボードにあるルールを見ながら、リュウがミニマムベットである10ガロンを賭ける。よくある事だが、書面上ではなかなか伝わらないルールも、実際にプレイすると直ぐに理解出来るものだ。
一度のゲームは淡々と済み、何回も勝負をするタイプなので、次々とゲームが消化されていく。ニ人とも勝ったり負けたりで受け沈みしていたが、少し負け始めたところで、フィンクスが賭けるのをやめた。
リュウはミニマムベットばかり続けていたので被害は少ないものの、まだ賭けを続けている。ロココが心配そうに眺めていたが、リュウはゆる〜く楽しんでいた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
およ?
あんたらもカジノで
散財してるの?
入口付近で様子を伺っていたユフィ達の後ろから、教官のリアが現れた。
お散歩ついでにカジノに来たらしい。リアに簡単に事情を説明すると、プロチータというゲームを勧められた。
じっとしてても
時間だけがすぎるだけよ。
やるの?
やらないの?
確かに……
よし、行くわ。
プロチータなら
私も知っているから勝負よ。
せっかちなリアの雰囲気に結局のせられ、勝負を決意するユフィ。ダナンもプロチータをすると決めていたようで、リアとアデルが、後ろから2人を見守ることになった。
相手が熟練者ならすぐに撤退。
引き際が一番難しいはず。
カジノの雰囲気を楽しむアリスに視線を一瞬移した後、ユフィはプロチータのテーブルが並んでいるエリアに移動する。
あそこ空いてるわよ。
早速参戦すれば。
おっ!?
美人を連れて参戦かい?
お兄さんやるねぇ。
先客の冷やかしの声に、リアが愛想笑いしながら、そういうわけではないと否定する。ダナンは若干赤面している感はあるが、平静を装ってテーブルについた。
不思議そうにゲームを見ているアデルに、同じテーブルの客が分かり易くルール説明してくれた。お節介と言えばそうだが、特に耳障りな事もなく、基本的に紳士的な態度に好感すら感じる。
ギダと名乗るその男は、高級品であろう質の高そうな物を身につけている。歳は50代半ばだろう。ルール説明をしている間にもゲームは進み、自分の出番になるとそれをルール説明に組み込み、淀みなくゲームも説明も進める。
おっと、
この結果が悪い例ですな。
ははは、
負けても楽しいんですよ。
おっし、最初から
良い感じだぜ。
ユフィとダナンが入って一回目のゲームは、運良くダナンが勝ったようだ。ギダは運悪く一番の負けとなっていた。残念な顔を見せながらも笑って見せるギダは、実に楽しそうだった。