片霧文殊

なんだなんだ、一般人にはその刀抜かないんじゃなかったの?くひひ。

煌炎

残念だったな。
おたくはついさっき一般人からクズ野郎に降格したんだよ。

片霧文殊

・・・それはそれは光栄だねぇ。

煌炎の言葉に口角をひくひくさせながら、片霧は待機席に向かって声を張った。

片霧文殊

おい、お前たち!!
いつまで仕事放棄してんだよ。
純粋に武闘大会なんざ楽しんでないで手伝ってよ、くひひ!!!!

その声に応じて二人の影が姿を現す。

煌炎

おいおい、こいつぁどういうことだい?

・・・・。

黒兼丸?

いきなり大声出さないでよ・・・・。

煌炎

大層なメンバーがお出ましじゃねぇか。
天下の風虎様もどきまでもいやがる。

そこのお前たち!!
ルール違反だ、すぐに退場しろ!
・・・って、え!!??
風虎様!?

片霧文殊

はっ、あのお偉いさんを退場させようとはね。
命が惜しかったら黙って見てなよ、虫けらどもが!!

ぐぬ・・・。

煌炎

んー、いっぺんに3人かい。
なかなか重労働を強いるね、おたくら。

おじいさん

ふがふが、そこの童。
助太刀いたそう。

煌炎

あんた、あんときのじじいじゃぁねえか。
ご老体は危ないからすっこんで・・・。

おじいさん

なんじゃと?

煌炎

・・・・・。

おじいさん

孫に贈り物をするために賞金を稼ぎに来たんじゃが、生憎、このクソガキどもにめちゃくちゃにされたからのう。

片霧文殊

はっ、面白いじゃん。
じじいが助っ人なんて足手まといにもほどがあるだろ、くひひ。

黒兼丸?

ねぇ・・・もうやっちゃおうよ。
黒兼丸が珍しく早く切りたいって言ってるんだ。

・・・・。

そして狐面の男が構えを取った時だった。
客席から勢いよく何者かがダイブしてくる。

ちょっとまったぁあああああああああ!!!!!!

煌炎

あ。

その何者かはくるっと煌炎の前で一回転すると、華麗に着地を決める。

風虎

久しいな、おちび。

煌炎

うるせー、ご老体。
大分遅いお出ましじゃねぇか。
風虎さんよ。

片霧文殊

風虎だって!?
本物はこの会場に来れないように青藍の野郎が他県に遠征にやったって・・・。

風虎

さぼっちゃった☆

片霧文殊

は!!!???

風虎

だってよ~?
あんな胡散臭い文書、誰が信用してホイホイついて行くかっての。

そういって真の風虎は観客側を向く。

風虎

よーく聞けお前ら。
俺が本当の風虎よ!!広島県民なら容姿ぐらい覚えとけ!

あ、あれが本当の風虎様?

いや、もうこんな状況じゃ全員怪しくなってきた!!
みんな偽物かもしれないぜ!

煌炎

ばーか。
誰にも信用されてないじゃねぇか。

風虎

はっはっは!
ちょいと他県に遊びに行きすぎたかな。

片霧文殊

くひひ。
こうなったらじじいもろともまとめてやって、功績をあげようか。

黒兼丸?

それがいい・・・。
黒兼丸も獲物が増えて喜んでる。

・・・。

おじいさん

さて、ひさびさに暴れるかのう。

煌炎

足手まといだけにはなんなよ。

風虎

兄貴に向かってその言葉は10万年早い!

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