* * *
ノルセスト
・
ビブリオテーク
* * *
* * *
ノルセスト
・
ビブリオテーク
* * *
食魔植物ターニアだと!?
あぁ、そうさ。
この人、一体何者なの?
食魔植物ターニアと呼ばれた蔦は
ソルフェージュ様たちに絡みつき、
身動きできないように縛り付けます。
ターニアは、絡みついた獲物の魔力を吸って成長する、魔力頼みのヤツには厄介な植物さ。
そう言われると
たしかにどんどん力が抜けて……。
シーラさんの顔色が少しずつ
悪くなっていくようです。
侮るなよ、小僧っ子が!
我の腕力を!
引きちぎってくれる!
力にも自信のあるソルフェージュ様、
そう言って腕に力を込めました。
しかし……。
ぬぅ!
いつの間にか食魔植物ターニアは
先程の三倍ほどの大きさに
成長しているではありませんか。
ソルフェージュ様を締め付ける力も
大きくなっているようです。
残念だったね、ソルフェ。
今回ばかりは君の強大な魔力が
仇になるようだ。
その豪腕をも封じるほど
ターニアを強化させたみたいだ。
クッ……
ジェラシー
ちょっと待て、ギーズ!
じゃあ何でアタシのヤツも
こんなでかくなってんだ!
見ればポメラさんに絡みついたターニアも
ソルフェージュ様程の大きさにまで
育っています。
あら、ホント。
ポメラのターニアもすごい大きさね!
おや、気づいてなかったのかい?
何がだ!
君も潜在魔力だけなら
相当なもんなんだぜ?
なんだってー!
本当かよ、ソルフェ。
ああ、そうじゃ。
我がポメラの武器に込めていた魔力は四属性の呼び水程度の物。
威力自体はポメラの魔力なのだ。
良かったね、ポメラ。
ま……ま……ま……
マジかよー!
なんだか嬉しそうなポメラさん。
どうやらあまりこの状況を
心配していないようです。
さて、と。
まあ、アタシも舐められたもんだなぁ……。
ん?
まさか、この程度で
足止めできると
思われるなんてよ!
そう言ってポメラさんは
全身に力を込めます。
むん!
すると、ポメラさんを縛るターニアが
徐々にほころび始めます。
相変わらず馬鹿力よのぅ……。
すごいわ、ポメラ!
これならターニアを振り解けるわ!
しかし、ギーズさんは
余裕の表情です。
……ターニアだけで
ポメラの行動が封じられる
なんて思ってないよ。
スッ
なんだ?
いでよ、
くすぐり魔神チョコチョコ!
あ……。
前に聞いた薬袋召喚!
ギョッ!
な、何をする気だ、ギーズ!
ふふふ。
お、おい、やめろ……
その無数の手で
くすぐるような仕草をしながら
近づいてくるな……
見てるだけでくすぐったく……
うひ……
いひ……
ポメラに恨みは無いけど、
話がこじれそうだから
動きは封じさせてもらうよ。
や……や……やめろー!
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ
ギャーーー――っはっはっはーーーーー!!!!!!
くすぐったいのが大の苦手なポメラさん。
ノルセスト・ビブリオテーク内に
悲鳴のような笑い声が木霊します。
ポ……ポメラ……。
なんて恐ろしいことを……
だって、放っておいたら
殴りかかられそうだったからね。
屈託のない笑顔を浮かべるギーズさん。
どうやら悪意もなさそうです。
さて、これで君たちパーティーは
無力化した。
……。
ギーズよ、これがキサマの狙いだったのか?
最初から我らを嵌めるつもりで
ターニアを仕掛けたのだろう?
えー!違うよー。
この状況で
その言い訳は立たんぞ!
ギーズ!
我らがノルセスト・ビブリオテークの扉を開けた時、その扉は一切凍結していなかった。
同じように吹雪にさらされていた城門は
分厚い氷に覆われていたのに、だ。
……。
つまり、それは我らが来るより前、
それもごく最近ここを訪れたものが
いた事に他ならん!
となれば、キサマが前もってここを訪れ
罠をしかけたと考えるのが当然。
ご丁寧にも、二階の広場の存在を気づかせぬよう山肌を滑るように飛び、キサマは我らを城門前に着陸させた。
さらには城門の氷を溶かしてみせ、
我らの信頼を得る芝居に利用するとは、まさに策士の極み!
恐れ入る。
褒めてくれるんだね。
ありがとう。
……でも。
ちょっと違うかな。
何が違うというのだ!
確かに、僕はソルフェたちより先にここへ訪れていた。それは認めるよ。
でも、ターニアはその時に僕が仕掛けたわけじゃない。もともと仕掛けられていたんだ!
む……。
本を手にした時、すぐにトラップに気づいた僕は、すぐに本棚に戻して事なきを得た。
けど、この本を取ることが出来なければ
僕の目的は成せない。
だから、僕の代わりにかつてのパーティーメンバーのソルフェ達が、ターニアを満足させてくれたらな、って思ってさ。
……わかった。
この人、ソルフェージュ様達が言っていた、勇くんのパーティーメンバーのもう一人だ!
それで、君たちの手伝いをしてここへ招き入れたワケ。
たしかに筋は通っておるな……。
だが、しかし……。
ギーズめ……。
我らを道具のように使うとは……。
まあ、事が済んだら
開放してあげるから安心してよ。
そんなの、おかしい……。
それが、かつてのパーティーメンバーにする仕打ちなんですか?
ギーズさんの主張に
居ても立ってもいられなくなったシーラさん。
どうやらスイッチが入ったようです。
ところが……。
キッ!
えっ……。
いいところに気づいたね。
新しいパーティ―の
リーダーさん。
ギーズさんはこれまでに見せたことのない
憎しみの表情をシーラさんに向けます。
何も知らないというのは本当に罪だな。
……どういう事?
私に対して強い怒りを
抱いているみたい。
確かに、ソルフェとポメラは
かつてのパーティーメンバーだ。
けど、今は違う!
新しい召喚士を仲間にするくせに
僕は誘ってもらえなかった!
僕はメンバーじゃないんだァァ!
……。
はひー……はひー……
ひぃー……しぬー
ギーズ、まさか、シーラに嫉妬して……。
う・る・さ・い!
図星か。
まあいいさ。
ソルフェ達のお陰で
僕の目的は達成できるんだから。
感謝してるよ。
ギーズ……。
キサマの目的とはいったい……。
さて、君らが本を手に取ってくれたお陰で、ここにこんなものが現れたんだ。
ギーズさんは
そう言って本棚の方を
指差しました。
鍵穴?
指し示された本棚と本棚の間の柱には
いつの間にかに鍵穴のようなものが
現れているではありませんか。
そこへ僕が手に入れた鍵を
入れて回す。
すると……。
ああ!?
本棚うしろに隠し部屋が!
本棚の一つが扉のように開き
その奥には隠されていた部屋が現れました。
じゃあ、僕はこの中に用があるから
そこで待ってて……
ギョッ!
うぅ……。
ソルフェージュ様たちに声をかけようと
振り返ったギーズさんは
シーラさんに絡みつく
ターニアを見て驚きました。
……?
……なんて大きさだ。
早いところ終わらせないと、
あのサイズのターニアを相手にするハメになるぞ。
どうした、ギーズ。
さっさと用事を済ませてこんか。
事を成して早いとこ
我らを開放してくれ。
物分りが良いね。
キライじゃない。
言われなくてもそうするさ。
そう言うと、ギーズさんは
隠し部屋へと消えていきました。
つづく
【勇者勇の装備】
レベル :19
めいせい :191
ぶき :新品の短剣
よろい :鋼鉄のよろい
かぶと :銀の額当て
たて :なし
どうぐ :野ばらのペンダント
焼豚×2
焼きとり×2
霊薬草×5
淡水ザメの煮凝り
淡水ザメの骨
淡水ザメの牙
黒王の羽
いつもの額当て
王の冠
カジノコイン×2560
緋糸手句の防寒具
なかま :[泉守]ダイ
[もふもふ]もふもふ
[魔導エンジニア]ラムディッシュ
とくぎ :ファイアブレス
トキシックブレス
釣り
カン
介抱
じょうたい:ミリオンソードへ進行中
【シーラの装備】
レベル :12
めいせい :230
ぶき :いつもの本
よろい :いつもの服
かぶと :いつもの飾り
たて :なし
どうぐ :やくそう×94
イーサ薬×9
おみやげ×99
ガラスの破片
なかま :戦士ポメラ
大魔導ソルフェージュ
[コボルト]ライル
とくぎ :しょうかん
値切り
冷やかし
虫の知らせ
ディゾネの思い出
寒さに耐える
じょうたい:パーティーリーダー
捕縛
スイッチ・オン
マジック・ドレイン