* * *
ノルセスト
・
ビブリオテーク
* * *
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ノルセスト
・
ビブリオテーク
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\げんなり/
うう……。
\げんなり/
アヒャ……アヒャヒャ…
シーラさんとポメラさんは
すっかり力を失ってしまいました。
さて……。
出てきてよいぞ、ライル。
ヒョコッ
ソルフェージュ様がそう声をかけると
ローブの裾から
ライルさんが現れました。
良く耐えたな、ライルよ。
いえ、何てことはないです。
飛び出そうとする私を
足で踏みつけて止めるくらい……。
ははは……。
許せ、ライル。
それより、ソルフェージュ様は
思いのほか元気ですね。
だってぇー☆
吸われてるのアタシの方なんだもーん☆
ああ、ご苦労様です、ソルフェちゃんさん。
さて、ライルに手伝ってもらって
ギーズへのキツーイお仕置きをしなくてはな。
ソルフェージュ様は
思わず嗜虐的な笑みを
浮かべるのでした。
甘い罠 前編
……で、私は何をすればいいですか?
ギーズは『事が済んだら開放する』と言っておった。
とは言え、自分の手でターニアを除去して、我らの仕返しを喰らうようなマヌケな輩ではない。
恐らく、ギーズはターニアの除去を仮契約のスクワイアらに任せ、その間に自分は被害の及ばぬ所へと逃げおおせる腹づもりだろう。
はい。
そこでだ。
ターニア除去の準備が整い、
ギーズがこの場を去ろうと
背を向けた瞬間を狙おうと思う。
なるほど。
では、そこで自慢のナイフ投擲を
お見せしましょう。
必ずや油断したギーズ殿を
貼り付けにしてくれましょう!
だが、ヤツは用意周到だ。
背後からとは言え正攻法では
のらりくらりとかわされるだけ。
ライルよ、耳を貸せ。
はい。
言われたとおりライルさんは
ソルフェージュ様の肩に飛び乗り
耳を近づけます。
ひそひそひそ……
えぇ!?
これを!?
遅いですね……。
気を抜くなよ、ライル。
いつ来るやもしれぬ。
だが、ライルの言うことも確かだ。一体何をやっているのだ、ギーズよ。
む……ようやく来たか。
よいな、ライル。
手はず通り頼んだぞ。
任せて下さい。
しばらくすると、
隠し部屋からギーズさんが
出てきました。
スゥ……
む?
ヤツの空気が変わった?
ところがギーズさんは
ソルフェージュ様たちには目もくれず
ノルセスト・ビブリオテークを
立ち去ろうとします。
ソルフェージュ様、
ギーズ殿が背を向けています!
もうやりますか?
ダメだ。
ここで動いては我らはこのままになる。
我が合図するまで待機せよ。
まて、ギーズよ!
我らを開放してくれるのではなかったのか!?
余を呼び止める不届き者はキサマか?
な!?
あ、ソルフェ。
ゴメンゴメン、ちょっとぼーっとしてた。
……ギーズよ。
中で何をしていた?
ヒミツだって言ってるでしょ。
とりあえず、開放してあげよう。
いでよ、ケーキマン。
……ギーズ。
我らを誂っておるのか?
そんな事ないよ。
ターニアは乳脂肪に弱くてね。
ホイップクリームに触れると、
吸収した魔力を放出するのさ。
そ……そうなのか?
新たな知識を手に入れた
ソルフェージュ様。
またしても、してやられた感を味わいます。
あとは、ケーキマンは鮮度で速度を調整できるから、今回の処理にはうってつけでね。
やはり逃亡の時間を稼ぐつもりだな……。そうはさせぬぞ。
なるほどな、ケーキマンの動きからして
我らの解放まで四半刻弱と言ったところかの?
ま、そんなところかな。
であれば、まだ余裕はあるであろう。少し話に付き合え。
んー……。
じゃあ少しだけね。
ところでキサマのカラメル嫌いは
まだ治らんのか?
やめてくれよ……。
カラメルの話なんて聞きたくもない……。
はは、スマンな。
今回キサマと出会って以来
やられっぱなしだったのでな。
少しいじわるをしてみたかっただけだ。
話ってそんな事かい?
……3年前、キサマは今と変わらず
掴みどころのないヤツだった。
褒め言葉と受け取っておくよ。
キサマとの出会いは
本当に最悪だった。
ーー3年前
よし、もうすぐ
ツギノが見えてくるはずだ。
勇ゥ、今度こそ本当に突くんだろうな?
ああ、間違いないさ。
俺の野生の勘がそう
でしゃばってる!
また勘頼みなのかよ!?
ふふ……。
ポメラよ、厳しい旅も
たまには良いではないか。
まぁ、厳しいのは
アタシだけなら
どんと来いなんだけどさぁ……。
勇は危なっかしくて
見てらんねーんだよなぁ。
おや……アレは?
ギョッ!
なんだこりゃ……。
プリンマンの群れ……。
バカな……。
媒介召喚でしか生まれないプリンマンが、群れを成すなどとは……。
たーすーけーてー!
カラメルいやぁーーー!
あの人、プリンマンに囲まれて
困っているみたいだ!
助けなきゃ!
おい、ちょっと待て勇!
どうする気だ!
イサム・ストラッシュ!(Lv22)
いかん!
プリンマンにその技は……
うひー!
うっへぇ、ベットベトだぁ!
大量の巨大プリンを全力で強打する阿呆がどこにあろうか……。
ゴメン、ソルフェ。
まったくもう……。
おい見ろ!
さっきの奴が倒れてるぞ!
まさか……間に合わなかったのか?
いや、どうやら気絶しているだけのようだ。
見ろ。
うう……。
カラメル……キモい……。
臭い……。
なんか、うなされているな……。
あぁ、そんな事もあったね。
しかも、聞けばそのプリンマンは
キサマが召喚したと言うではないか。
我らに差し向けるために、とな。
若気の至りってやつさ。
僕も地元では勇者だと担がれていたからね。
あの時はどんどん有名になっていく勇に
嫉妬ばかりしてたなぁ。
そ……そうだったんだ……。
それにも関わらず、そんなキサマを勇は仲間にした。
別に何人いてもいいじゃないか、
勇者なんて。
それで平和が守れるなら
なおさらの事さ!
……と言ってな。
ほーんと、勇にはかなわないよね。
まさか、こんな僕の心まで
救っちゃうんだから。
しかし、今のお前は行動はどうだ?
勇者とは到底呼べぬその行動……。
勇の気持ちを踏みにじるのか?
だって、僕は勇者じゃないから。
くっ……。
どうやら、ソルフェージュ様の
必至の問いかけも
今のギーズさんには届かないようです。
さて、余裕を持って
ここを離れるには
これが限度かな?
にじり寄るケーキマンは
ソルフェージュ様達まで
まだ少し距離があります。
じゃ、またね。
ギーズさんは出口の扉に向けて
足を踏み出しました。
その時、ソルフェージュ様は
ドスの効いた声で言いました。
いつからだ?
何が……だい?
いつから我らの後を尾けていた?
いつだっていいだろ?
ソルフェが気にする事じゃないさ。
我らは少なくともキサマの前では
旧アインスターク城を訪れることを口外しなかった。
ピクッ
それにも関わらず、キサマは我らを拾うなり、旧アインスターク城を目指した。
つまりキサマは、我らの行動計画を知っていたことになる。
その上で、先回りをして罠を仕掛け我らと接触するるためには、少なくとも我らのクルナ到着時には行き先を知っていなければならない。
……。
ならば、海上の檻たる船上で
我とポメラの会話を盗み聞きするほかない。
つまりキサマは、ズールの港からずっと後を尾けていたのだな?
はひ……な……なんつー粘着……
ふふふ。
ソルフェージュ様に
痛いところを指摘された
ギーズさん。
顔色も変えずに不敵に笑います。
つづく
【勇者勇の装備】
レベル :19
めいせい :191
ぶき :新品の短剣
よろい :鋼鉄のよろい
かぶと :銀の額当て
たて :なし
どうぐ :野ばらのペンダント
焼豚×2
焼きとり×2
霊薬草×5
淡水ザメの煮凝り
淡水ザメの骨
淡水ザメの牙
黒王の羽
いつもの額当て
王の冠
カジノコイン×2560
緋糸手句の防寒具
なかま :[泉守]ダイ
[もふもふ]もふもふ
[魔導エンジニア]ラムディッシュ
とくぎ :ファイアブレス
トキシックブレス
釣り
カン
介抱
じょうたい:ミリオンソードへ進行中
【シーラの装備】
レベル :12
めいせい :230
ぶき :いつもの本
よろい :いつもの服
かぶと :いつもの飾り
たて :なし
どうぐ :やくそう×94
イーサ薬×9
おみやげ×99
ガラスの破片
なかま :戦士ポメラ
大魔導ソルフェージュ
[コボルト]ライル
とくぎ :しょうかん
値切り
冷やかし
虫の知らせ
ディゾネの思い出
寒さに耐える
じょうたい:パーティーリーダー
捕縛
スイッチ・オン
マジック・ドレイン