煌炎は手に持っていた双剣をゆっくりと鞘に納めた。
するとあたりを埋め尽くしていた炎も、幻から覚めたかのように跡形もなく終息していった。
いやよ・・・・。
お願いだから、それだけは・・・・。
・・・・なにか、訳がありそうだな。
煌炎は手に持っていた双剣をゆっくりと鞘に納めた。
するとあたりを埋め尽くしていた炎も、幻から覚めたかのように跡形もなく終息していった。
ごめんさい・・・・、でも私の存在意義はこの役目を全うすることでしか示せない。
・・・というと?
私は…、幼いころ両親に捨てられた。
ヤマミサキの濃い先祖返りをした私は、昔から海でおぼれ死んだ人や崖から落ちて死んだ人と会話し、つながることができたの。
きっとそれが気持ち悪かったんだわ。
・・・それは。
捨てられた後は今の征夷大将軍様に引き取られて、この地位につけられた。
でも、そこから私は『ヤマミサキ』としか呼ばれないようになって、あまつさえ全ての人から恐れられるようになったの。
もう、本当の名なんて忘れてしまったわ。
・・・・。
だから今の私にはこの統治という役目しか、存在理由を見つけられないの。
両親に捨てられ、名前もない、私の存在理由をね。
・・・・・あほくさ。
・・・え?
あほくさいって言ってんだよ。
煌炎様!!
お兄さん、それはひどいよ!!
だってそうだろ。
そもそも、おたくは自分が自分自身を認めてないじゃぁねぇか。
自分が認めてない自分を、他人が認めるわけねぇだろ。
・・・それは。
・・・それに、憶測で親が自分を気持ち悪がってるなんて言うんじゃねぇよ。
親ってのはぜってー子供を見捨てないもんだぜ。
・・・そんな綺麗ごと・・・!!!!!
事実私は捨てられてるわ・・!!!!
本当にそうかねぇ。
・・・どういうことですの?
・・・今回は特別に見せてやるよ。
そう言って煌炎は双剣を抜き、次の光景にヤマミサキは目を見張ったのだった。