煌炎

おい!!!!
ちびガキどこだ!!!

煌炎様!!
あそこ!!!!

花蓮

!!!!!!
お兄さん助けて!!!!

ああああああああぁあああ。

花蓮を探して崖にたどり着いた煌炎たちが目にしたのは、崖にぶら下がる花蓮とその足を引っ張る禍々しい亡霊のようなものたちだった。

煌炎

っくそ!!
なんで俺が・・・。

煌炎は悪態をつきながらも花蓮のもとに走った。

奥義【炎光疾走】

花蓮

わわわっ!!

次の瞬間には煌炎は花蓮の足元にいた亡霊を振りのけて、花蓮は煌炎の腕の中にいた。

煌炎

許可なく俺の傍を離れるな、ちびガキ。

花蓮

へっ!?///

煌炎

何エロいこと考えてんだ。面倒をかけるなって言ってんの。次、俺を走らせたら崖から捨てるぞ。

花蓮

ひぇっ・・・ご、ごめんなさい。

ま・・・間に合ってよかったです。

煌炎一行が安心したのもつかの間、崖の反対側から恐ろしい、地を這うような声が響く。

ヤマミサキ

口惜しや・・・。
あと少しでうまくいっていたのに。

煌炎

・・・。

ヤマミサキ

ふふ、あなたの思い人の顔が歪むところが見れなくて残念ですわ。

花蓮

わ、私とお兄さんは別にそんな関係じゃ//

煌炎

そろいもそろってキモい反応してんじゃねぇよ。

なんだか蚊帳の外な感じで寂しいです・・・。

煌炎

・・・・。

ヤマミサキ

しかし私の姿を見てしまった者はどちらにせよ消さねばなりません。

煌炎

お前がヤマミサキか?

煌炎は地面に落ちた帽子を拾い、女に問いかける。

ヤマミサキ

・・・あなたもですか。

煌炎

は?

ヤマミサキ

いいえ、いかにも。
私が中国地方を統治する七雄の一人。
ヤマミサキと申します。

煌炎

なら話は早い、おたくの魔具はなんだ?

ヤマミサキ

魔具・・・?
征夷大将軍様からの贈り物のことですか?

煌炎

詳しくはわからんが、たぶんそうなんじゃねぇか?

ヤマミサキ

それならこのキセルですね。
・・・しかし、私を恐れずそのように聞いてきた者は初めてですよ。

煌炎

恐れる・・・?
ただの女に恐れる必要がどこにあるんだい?
とりあえず、それ、破壊させてもらうわ。

ヤマミサキ

・・・・。
まぁ、無駄ですよ。
将軍からの贈り物なんて、と思って私も壊してやろうとしたのですが・・・びくともしませんでしたし。

煌炎

・・・へぇ?
おたく、壊そうとしたのかい?

ヤマミサキ

・・・!
い、いえ、ただの世迷言ですわ。
それより・・・・。

ヤマミサキ

おしゃべりの時間はこれまでにしません?

花蓮

お兄さん!!!!

煌炎

どいつもこいつも、七雄ってのは不意打ちがお好みらしい・・・っ。



亡霊の突進を両腕をクロスして煌炎は受け止めたが、勢いがあり、ズザザザッと後ろに押される。


煌炎

よっと。

おおおおおおおおおおおおおおっ。

煌炎はすぐさま亡霊に向かって蹴りを入れるが、その足は空を切っただけであった。

煌炎

・・・そいつぁ卑怯じゃねぇかい?
向こうはこっちを触れるのに、俺は触れないなんて・・・どうしたもんかねぇ。

ヤマミサキ

ほほ。

花蓮

わ、わ、わ!!!!

煌炎が亡霊と対峙している間も、容赦なく他の亡霊が花蓮や賽に襲い掛かる。

煌炎

まぁ、祓うしかねぇな。

煌炎は構えを取り、背中に背負っている双剣を抜刀。


たちまち煌炎の周りには炎が巻き上がる。

ヤマミサキ

・・・・!!!??

煌炎

当たったらわりぃ。

煌炎が花蓮達の方に向かって双剣を振ると、沸き上がった炎が勢いをつけてその方向めがけて地を這って行く。

ちょ・・・!!!!

ギリギリではあるが賽達には当たらず、目の前の亡霊に直撃して飲み込んでいった。

ヤマミサキ

な、なんと!!!
私の亡霊たちが!!!!!

このお方の炎は朱雀の炎。
再生の力を持ち、亡霊を輪廻の輪に戻したのです。

煌炎

これで切れなくても問題ねぇ。

ヤマミサキ

・・・・いや。
亡霊たちまで私から奪わないで・・・・っ。

煌炎

・・・?

七雄ヤマミサキの章【承】

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