・・・煌炎様?
今回は何を食べてるんです。

煌炎

ふぁふぁらふぉば(瓦そば)。

聞いた私が悪かったですが、飲み込んでからしゃべってください。
にしても、ほんとに器用に食べますね。

あの後無事に関門橋を渡りきり、煌炎一行は福岡県から山口県に足を踏み入れていた。

そしてここは、県のど真ん中あたりに存在するとある村である。

煌炎様の食いっぷりのせいで、持参しているお金が減る一方ですよ・・・。

煌炎

うるせー。
なんとかなる。

・・・はぁ。
花蓮様からも何か言ってやってくださいよ・・・。

賽はそうして振り返るが、花蓮の姿が見当たらない。

こ…煌炎様!!!
どうしましょう!!
花蓮さんが迷子に!!!

煌炎

はぁあん!?
ったくほんとに使えねーガキだな。

・・・煌炎様、あなたが今食べている瓦そばは花蓮様の持参したお金で買ったものですよ・・・。

煌炎

・・・探すか。

煌炎の代わり身の速さに少々驚いたものの、気を取り直して聞き込みを開始する。

そこのご婦人、これくらいの背で二つ結びの女の子を見かけませんでしたか。

はぁ、それぐらいの背の子は何人もいるからわからないねぇ。

・・・そうですか。

煌炎

・・・。

・・・煌炎様、私気づいてしまいました。
花蓮さんってあんまり特徴がないんですよ。

煌炎

・・・ぺちゃぱい?

それで聞き込みをしたらセクハラで訴えられます。

兄ちゃんたち探し人か??

え、あ、はい。
これくらいの背で二つ結びの女の子を見かけてませんか?

すまねぇ、声をかけておきながら生憎見ちゃいねぇが、もしかしたらヤマミサキ様の神隠しかもしれねぇな。

煌炎

ヤマミサキ・・・。

我頭殿が言っていた人物の1人ですね・・・。
さっそく、関わることになるとは。

煌炎

おい、あんた。
ここいらじゃよく神隠しってのは起こるのかい?

最近では頻度が増えてるようだな。
何でも、神隠しに合うのは少女だけのようだぜ。

煌炎

あんた・・・・そのヤマミサキ様の居場所とかわかったりする?

もっぱら噂になってるのは、この村の外れにある崖だな。
ここからずっとまっすぐ行って大木を右に曲がってすぐのところにある。

煌炎

ポニー、いくぞ。

はい!
あ、親切な御仁、ありがとうございました。

な!!
兄ちゃんたち危ねぇぞ!
くれぐれも無茶すんなよ!!

こ、煌炎様!
待ってください!!

煌炎

くせぇ。
幕府の奴のにおいがする。
さっさといかねぇとガキが危ないかもしれない。

!!

こうして煌炎たちは花蓮を探しに、ヤマミサキの崖へと足早に向かうのであった。

七雄ヤマミサキの章【起】

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