* * *

旧アインスターク城
1階西側通路

* * *


ポメラ

で、件の大図書室はどこにあるんだ?

ソルフェ

前に来た時は二階の渡り廊下をぐるりと回ったところにあったな。

ポメラ

じゃあ、その二階へ行く階段はどこだ?

ソルフェ

ほれ、そこだ。







と、前方を指差すソルフェージュ様。








その先には大きな階段がありました。









ポメラ

うお、いつの間に!

ソルフェ

ゆくぞ、ポメラ。





























ソーディアの民




















階段を登り扉を開けると


雪風が舞い込んできました。



扉の向こうは屋外でした。




ソルフェ

ふむ。また雪が強くなってきたようだな。

ポメラ

うう、寒いッ。

ポメラ

城内が温かくないと思ってたけど、
それでもやっぱり外よりは温かいんだなぁ……。

ソルフェ

ほれ、そう思うなら
さっさと進むぞ。
我々が目指すのはこの壁面の内側だ。




二人は階段室を出ると、


城の中央の壁面をぐるりと囲む


渡り廊下を進みます。




地上と違い、遮蔽物が少ないので


吹き付ける冷たい風が身にしみます。


ソルフェ

それにしても、
ポメラは本当に丈夫だのう。

ソルフェ

よくそんな薄着でいられるものだ。





ソルフェージュ様はそう言いながら


厚手のガウンから手を出すと


はぁ、と息を吹きかけて


また仕舞い込みます。

ポメラ

あん?こう見えても、
アタシは防寒具をつけてるんだぜ?

ソルフェ



ポメラさんの衝撃の一言に


ソルフェージュ様は言葉を失います。

ポメラ

なんつー顔してんだ、ソルフェ。

ソルフェ

あ、いや、スマン。

ソルフェ

どう見ても機能性重視の
露出が高い甲冑にしか思えなくてな。

ポメラ

ふふーん。

ポメラ

ソルフェでも知らないことがあるんだな。

ソルフェ

……む。




渾身のドヤ顔を向けるポメラさんに


ソルフェージュ様は


面白くなさそうです。


ポメラ

これだよ、これ。



ポメラさんはそう言って


腰の小物入れから


小瓶を取り出しました。

ソルフェ

それはなんだ?

ポメラ

アタシらソーディアの民に伝わる、
経口防寒具、トー=ガラシのオイル漬けだ。

ソルフェ

戦士村ソーディア……。
そこの秘薬か。

ソルフェ

ソーディアは15年前に
バークレイと訪れたきりだったな。

ソルフェ

武術を使わぬ我に
冷たい視線を向けるゆえ
敬遠しておったが……。

ソルフェ

まさか、そのような秘術も
持っていようとは。

ポメラ

これをこう口に咥えると
血行が促進され全身が温まる。

ポメラ

それに加えて、口から吐く息が熱を帯び
体に纏われるので、寒気もシャットアウトされる優れものさ。

ソルフェ

ほほう。
それは面白いな。

ポメラ

どうだ、ソルフェ。
試しに一つ口に咥えるか。
体の芯から温まるぞ。

ソルフェ

どれどれ……。




トー=ガラシを勧めるポメラさんに


ソルフェージュ様は手を差し出します。



ところが……。




ソルフェ

ダメー☆!

ポメラ

うぉ!びっくりした。
突然だな、ソルフェちゃん。

ソルフェ

何がダメなのだ。
良いではないか。
新たな知識を手に入れる
チャンスなのだぞ?

ソルフェ

アタシは知ってるんだからね!
それ、すっごーーーく辛いんだから!!

ソルフェ

な……に……!?



ソルフェちゃんさんの必死の叫び声に


ソルフェージュ様は驚愕します。

ポメラ

そうか?
そんな辛くはないと思うんだがなぁ……。


どっこいそこはさすがのポメラさん。


ポメラさんは全くそのつもりはありません。




仕方ないのでポメラさんは


ちょっと軽めの方法を


ソルフェージュ様に勧めます。

ポメラ

じゃあ、このオイルだけでも
ちょっと舐めてみるか?

ソルフェ

う……うむ。では少しだけ……。


そう言ってソルフェージュ様は


トー=ガラシのオイル漬けに指を付けました。





……すると



ソルフェ

む!?

ソルフェ

指が辛ーーーい☆!!!





ヒリヒリとする刺激に


ソルフェージュ様の指は


真っ赤になってしまいました。



ポメラ

大げさだなぁ、ソルフェは。




ポメラさんは全く意に介しません。

ソルフェ

だから言ったのにー☆

ソルフェ

むぅ、迂闊だった。

ソルフェ

ポメラの丈夫さを鑑みて
行動すべきだった。
反省しよう。

ポメラ

そんな褒めるなって!
テレちまうだろ。



とは言え、


トー=ガラシオイルに


触れただけのソルフェージュ様でしたが、


次第に体の中がポカポカと


暖かくなってきました。





その効果ばかりは認めざるを得ません。

ソルフェ

ま、まぁ……。
悪くはないな。

ポメラ

ドヤァ!







二人は雪の降りしきる二階の渡り廊下を



てくてくと進んでいきました。































つづく

【勇者勇の装備】
レベル  :19
めいせい :191
ぶき   :新品の短剣
よろい  :鋼鉄のよろい
かぶと  :銀の額当て
たて   :なし
どうぐ  :野ばらのペンダント
      焼豚×2
      焼きとり×2
      霊薬草×5
      淡水ザメの煮凝り
      淡水ザメの骨
      淡水ザメの牙
      黒王の羽
      いつもの額当て
      王の冠
      カジノコイン×2560
      緋糸手句の防寒具
なかま  :[泉守]ダイ
      [もふもふ]もふもふ
      [魔導エンジニア]ラムディッシュ
とくぎ  :ファイアブレス
      トキシックブレス
      釣り
      カン
      介抱
じょうたい:なし

【シーラの装備】
レベル  :12
めいせい :230
ぶき   :いつもの本
よろい  :いつもの服
かぶと  :いつもの飾り
たて   :なし
どうぐ  :やくそう×94
      イーサ薬×9
      乗船券×4
      おみやげ×99
      ガラスの破片
なかま  :[コボルト]ライル
とくぎ  :しょうかん
      値切り
      冷やかし
      虫の知らせ
      ディゾネの思い出
じょうたい:なし

pagetop