ルーシー

ルーシー

あら、あなたは?

男の子の姿をした人形が現れた。
彼はエマの背中を見て、私を見上げる。
他の人形は一緒ではないらしい。

エマと何を話していたの?

ルーシー

私の話

エマはルーシーの人形だったんだ

ルーシー

うん

嘘だったら、どうする

ルーシー

そんなわけないわ

自信があるんだね

ルーシー

だって、エマは私の人形だから

………

私は男の子をジッと見る。

私の人形ではない気がする。



だけど、




ルーシー

あなたのことは、見覚えがあるのよね

そりゃそうだ

ルーシー


 男の子はニッと笑った。

ここの人形たちは嘘が大好きだから気を付けなよ

ルーシー

ええ

ルーシー

ルーシー

あなたは、もしかしてポンタ?

え?

ルーシー

エルヴィンが持っていたポンタね

幼いころエルヴィンが連れていた人形がいた。


男の子が人形を持つのは恥ずかしいと言いながら、エルヴィンは私と人形遊びをするためにこの人形を連れていた。

ポンタ

………正解

ポンタ

変な名前だよね、ポンタって

ルーシー

私のエマとお人形遊びをしたわね

小さなテーブルに小さな椅子。エマとポンタの為の椅子も用意して、四人でお茶会ごっこをしていた。


エルヴィンは私の遊びに付き合っていただけで、本当は別の遊びがしたかったのかもしれない。

ポンタ

こんなに早く気づかれるとは思わなかったよ

ポンタ

まぁ、エマを思い出したのだから一緒に思い出せるのかな

ルーシー

へへへ

ポンタ

ルーシーと話をしたら、昔を思い出したよ

ルーシー

そう?

ポンタ

エルヴィンは君の為だけに僕を大事にしていたんだ

ポンタ

だから、エマが火葬されたときも一緒に火葬した

ルーシー

エルヴィンの意思で

ポンタ

ああ

ポンタ

エマが寂しくならないように

ポンタ

そして、僕がエルヴィンの側にいれば、きっと君がエマを思い出して悲しむから

ルーシー

………

ポンタ

あいつは、僕にごめんと告げて炎の中に入れた

ルーシー

エルヴィン………

ポンタ

あいつは優しい奴だよ

ルーシー

知っているよ。でも、今日はおかしかったの

ポンタ

今も一緒なんだ

ルーシー

うん、だから心配。早く帰ってあげなきゃ

ポンタ

………ルーシー

ルーシー

ポンタ

何でもないよ。

ルーシー

あそぼー

あそぼー

ルーシー

はーい、待っててね

ポンタ

他の人形とも、お話してあげなよ

ルーシー

うん

ポンタ

君と言葉を交わすと、心が救われる気がするんだ。彼らも癒してあげて

ルーシー

私で良ければ

ルーシー

ポンタは、私が元の場所に戻る方法知ってる?

ポンタ

ごめん、知らないよ

ルーシー

そっか

ポンタ

でも、君は、その方法を見つけ出すよ

ルーシー

え?

ポンタ

君はここに居ちゃいけないから

ルーシー

………

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