土のにおいがする。
土のにおいがする。
あれ?
ここは、教会? でも……何かが違う
お客様がきたぞー
お客様が来た!!
女の子だ
キャァ
集まって来たのは私より背の小さな人形たち。
動物や人や、何だかわからないような人形が私を取り囲む。
驚かせた
驚かせたらダメなんだ
ごめんね
え?
お人形が喋っている?
ここは人形の国だよ
人形の国?
そう
火葬された人形たちはここに行きつく
火葬……
子供の頃、私の人形をこの教会で……
燃やした。
じゃあ、私の友達も……
僕たちはルーシーの人形かもしれない
違うかもしれない
でも今はルーシーと友達になりたい
友達になろうよ
友達………うん、良いよ
わーい、友達
ここに、火葬された人形たちがいるのよね
うん
私の人形も、ここに?
そうだね。でも、ルーシーは忘れてしまっている
火葬された人形のことを覚えている子供たちは少ないから
でも、人形たちは私のことを覚えているのよね
そうだね
覚えていても、教えないだろうけど
嘘でも、ルーシーの人形って言うかもしれないけど
難しいわ
でも、本当に大好きな人形なら。きっと、引き合うはず
SとMは引き合う
MとSは引き合う
そうね
ルーシーは家族はいるの?
いないわ
でも、孤児院の神父様とシスター、それに孤児の仲間たちが家族よ
人形は?
昔は持っていたけど、今は持っていないわ
欲しいとは思わないの?
欲しいけど、私は子供じゃないから
子供じゃないと人形を持てないの?
そうじゃないけど……
私より小さい子たちが持つべきよ
ルーシーは、人形を捨てて大人になったの?
違うわ
ううん、そういうことになるわね
………
パパとママが、そうしなさいって言ったから
子供は親に逆らえない、辛いね
うん
人形がいれば子供のまま、愚かな大人にならなくて済むのに
………
ルーシー、ここで一緒に暮らそう
え?
そうすれば、大人にならなくて済むよ
いいねー
サイコーだね
おい
!
いつまで話しているんだよ。オレたちだって、彼女と話したい
そうだった
忘れていた
どうぞどうぞ
あなた………私の人形?
どうだろうね
こいつらが、君と話したいそうだ
ルーシー
ルーシー
あら、かわいい
ルーシーに会いたかった
友達になりたかった
じゃあ、今から友達になりましょ
やったー
うれしい