翌日から俺達の日常が少しだけ賑やか……って言うかうるさくなった。

和田 守男

桜さん、おはようございます

羽島桜

う、うん。おはよう~

和田 守男

桜さん、授業お疲れさまです

羽島桜

う、うん。ありがとう~

和田 守男

桜さん、ご飯食べに行きましょう

羽島桜

え、それはちょっと……

和田 守男

ダメなんですか……?

羽島桜

わ、わかった……

和田 守男

桜さん、一緒に帰りましょう!!

羽島桜

え、まだ………

大野信一

おい、もういいだろ!? 流石にここまでしつこいとストーカー扱いで警察に連れてくぞ!?

和田 守男

ストーカーって……あなたは桜さんのなんなんですか!?

大野信一

いや、お前がなんなんだよ!!

和田 守男

僕は桜さんを……想う人です

大野信一

ストーカーじゃねーか!!

こいつがここまで気持ち悪い真似に出るのは、昨日(10月27日に投稿した第16話)にさかのぼる……。

テスト返却から解放され緊張感が緩みに緩んでる放課後の帰宅時間。






俺達はいつもの様に家路に付いていた。






………ソノトキ、コイツガ、コウイッタ。

和田 守男

羽島さん!!

羽島桜

はいっ?

和田 守男

僕と付き合って下さい!!

『ええええええええええええ!!』

唐突過ぎる告白に、その場に居た誰もが言葉を失った。






その空間が異空間へと変貌したとさえ、錯覚してしまいそうだった。






それほど、俺達に降りかかった衝撃はとてつもない物だったのだ。






誰がこんな未来を予想できた?






誰も予想ができないからこそ、異空間が生まれたのだ。






いや、だから異空間ではないって。

羽島桜

いや……その……。私は……えっと……

桜は突然の少年の言葉に戸惑いを隠しきれてない。






当たり前だろう、俺だって急に好きですなんて言われたらビビる。






まず、言われない。悲しい。非リアつらたん。

和田 守男

僕はずっと、羽島さんの事が好きでした

羽島桜

あ、はい

和田 守男

誰にでも優しい性格にぞっこんです

羽島桜

えっと……

和田 守男

だからどうか、付き合ってください!!

羽島桜

あの……

羽島桜

君は誰ですか? 初めまして、ですよね?

和田 守男

………

和田 守男

ええええええええええええええええええええ!!

突如、発狂を始めた少年にかける言葉などない。







いや、叫びたいの俺だから。






なぜに初めましての人にここまで熱烈な告白ができるのだろうか……。

羽島桜

それに、私こっちに引っ越してきたばかりなんですが……

和田 守男

て、転校初日から好きだったんです!!
そう、それは恋の魔法。羽島さんを考えていると、一日一日が24時間に留まらず48時間……96時間に感じてました!!

羽島桜

へ、へええ

和田 守男

だから、このままではこの気持ちに胸が張り割かれて心臓が飛び出して血液の循環が止まってしまいそうです

羽島桜

そ、そうなんですか~

勝手に割かれて内蔵もろとも飛び出しとけバーカとかは置いといて、流石の桜でも若干引き気味だったので助け船を出した。

大野信一

ちょっと、君さ……

和田 守男

アナタには関係のない事でしょ!?

大野信一

………

今まででは考えられないほど、俺への怒りを露わにした。






流石の俺もそれにビビッて言葉を発することができなかった。






殺意すら感じ取れたその視線。






コイツはマジでやっべー奴だ。

羽島桜

その……えっと……

そして、そんな短時間の攻防を感じ取った桜が口を開いた。

羽島桜

お、お友達でお願いします

もっと砕いた感じで結論を言おう。






桜は彼をフッたのだ。







紛れもなく、恋人にはなれないと。






そんな台詞にどこか、安堵の気持ちを覚えた。

和田 守男

そうですか、わかりました

………けれど、彼の声はどこか明るそうに聞こえた。







今まさに失恋した人間とは思えないほどに。

和田 守男

えっと、僕の名前は和田守男(わだしゅうお)。よろしくお願いしますね、桜さん♪

この時、初めて俺は覚った。






―――こいつ、フラれた自覚なしだ。






そんなキチガイとの闘い(?)はここから始まった。

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