~僕は駆け出し薬草師~
~僕は駆け出し薬草師~
旅の記録帳
(12)
アンカー ~ ギーマの小屋
『第129幕~第145幕』
〈非情なる副都〉編
【あらすじ】
地底都市アンカーで、
トーヤはエルムとロンメルを仲間に加えた。
次に目指すのは最後の目的地である副都。
そこには船で向かうことになり、
アンカーポートの町で交易船に
便乗することとなった。
ただ、トーヤが気になったのは
積み荷のほとんどが
ミスリルであることだった。
以前に聞いていた情報ではミスリルは
採掘量が減っていたというものであり、
実情と違っていたからだ。
しかもトーヤたちの乗る船の船長ウィルは
横暴で油断のならない人物。
ちょっとした意見の対立から
戦闘となってしまうが、
トーヤが使った火の魔法がきっかけで
その場は収まったのだった。
こうして副都へ向けて進む中、
深夜にトーヤはカレンが誰かと
コソコソ話をしているのを目撃する。
そしてそれに気付いたカレンは
トーヤを不意に襲うのだが、
翌日のカレンはそのことを
何も覚えていないようだった。
やがて船は副都へ到着。
ここでクロードは
本社からの呼び出しにより
パーティを離れることになる。
その後、トーヤたちは
依然として差別が強く残る
副都の現状に愕然。
しかもカレンの父である
グラン侯爵に仕えている執事ラグナは
下民であるトーヤに冷たく当たるのだった。
その仕打ちに激高するカレンだったが、
トーヤたちの説得によりしぶしぶ矛を収め、
牢に押し込められているティアナを
解放してもらえるよう
グラン侯爵へ頼みに行くことを決意。
こうしてカレンの申し出により
解放されたティアナだったが、
その体は拷問により衰弱していた。
ただ、ドラゴンマスターであるティアナの
人並み外れた回復力とトーヤの薬により
なんとか動けるようになる。
そしてティアナはギーマに
危機が迫っていることをトーヤたちに告げ、
ともに転移の魔方陣により
ギーマの小屋へ移動することとなった。
魔方陣を使って移動し、
久しぶりに再会したトーヤたちとギーマ。
だが、カレンに化けていたクロウによって
トーヤたちは不意打ちを食らい、
ギーマを奪われてしまったのだった。
【行程】
アンカー → アンカーポート → 極北の海
→ 副都 → ギーマの小屋
アンカー ~ アンカーポート:10日程度
アンカーポート ~ 副都:数日程度
副都 ~ ギーマの小屋:一瞬
(転移の魔方陣を使用したため)
【主な登場人物】
※各項目は旅が進むに従い、
内容が変わっていきます。
あくまでもその時点での情報であり、
新たな事実が判明した場合は
置き換わります。
名前:トーヤ
職業:薬草師
種族:魔族(元・下民)
性別と年齢:男/14歳
●身分制度が撤廃され、
王城で薬草師として働けるようになった。
推薦したのはデリンで、
彼が後見人も務めている。
●ギーマに弟子入りするため、
王都から旅立った。
●勇者アレスは恩人であり親友。
定期的に手紙でやり取りをしている。
少しでも彼に近付けるよう努力している。
●薬草師としてのレベルは高い。
難しい調薬も難なくこなす。
薬の濃縮などの技術もある。
植物の知識も豊富。
●注意力が高い方で、
変化などに最初に気付くことも多い。
●調薬のための道具を持ち歩いている。
●トーヤの薬草師の師匠・レオンは
故郷の隠れ里で今も現役らしい。
薬草師としてのレベルが高い上、
不思議な道具も保有しているようだ。
ガイネは何者なのか、知っている様子。
ただ者ではないことが濃厚に。
●カレンは仕事上のパートナー。
初めて会った時から
優しく接してくれた彼女に
深い感謝の気持ちを持っている。
最近は異性として意識するような
兆しもみられるように……!?
●クロードのことは
いい友達だと思っている。
恋愛感情はないが、
カレンは気が気でない様子。
●天然ボケをかますことがある。
セーラに対しては
ツッコミ役に回ることが多い。
●警戒心があまりない。
純粋すぎてすぐに他人を信じてしまう。
●プレプレ村での一件ののち、
アポロとは親友同士に。
●腕力は並の人間と変わらない。
●武器はセーラの作った
スタッフ・スリング。
トーヤ自身は『フォーチュン』と
名付けた。
接近戦では護身用のナイフを使う。
ナイフは微弱ながら魔力を帯びている。
●戦闘では、主に回復担当。
ただし、遠距離攻撃が必要な時や
状況によっては主力となって戦う。
カレンとのコンビネーション攻撃もする。
●状態異常無効化という特殊能力がある。
また、魔族は能力的に成長しないが、
トーヤには成長できる余地があるという
特殊能力(体質)がある。
●特殊能力のことは信頼できる相手にしか
話してはいけないと
シンディに言われている。
●ヴァンパイアであるロンメルに
血を吸われたが、
状態異常無効化能力により
ヴァンパイア化しなかった。
一方、そのメリットのみが発現し、
魔法力が大幅にアップ。
火の魔法など初歩的なものは
使えるようになった。
●ロンメルと交換契約を交わし、
血を吸わせる代わりに従者とした。
●エルムと契約を交わし、
彼を使い魔とした。
●ギーマに落第薬草師と呼ばれてしまった。
薬草師としての未熟さを知ると同時に、
腕を磨き続けていく決意をする。
●よく女の子と間違われる。
●子犬のヘアピンはミーシャに預けた。
いつか再会する時に返してもらう
約束をした。
名前:カレン
職業:医師(魔法医療)
種族:魔族(元・上民)
性別と年齢:女/16歳
●副都の上民出身のお嬢様。
両親は貴族。姉と兄がいる。
父は貴族院のグラン侯爵。
家族とはソリが合わないらしい。
良いモノに触れてきたおかげか、
品物を見極める眼力がある。
●洞察力に優れている。
アポロが盗人であることを見抜いた。
●医師としてのレベルは高い。
特に魔法を併用して治療する
『魔法医療』のエキスパート。
物理医療の技術も持っている。
●身分で差別をすることはない。
下民だったトーヤも
初めて会った時から普通に接していた。
●トーヤの仕事上のパートナー。
彼に調薬を頼むことも多く、
その腕を誰よりも信頼している。
●トーヤが誰かと仲良くしていると、
ヤキモチを焼くことが多い。
ただ、ミーシャに対して気を遣うなど、
時と場合によっては優しく接することも。
●ロンメルは大嫌い。
クロードは嫌いだが、
大切な仲間として認めている。
●エルムのことは弟のように思っている。
それゆえに厳しく接してしまうことも。
●子猫のヘアピンを身につけている。
かなり気に入っているようだ。
●トーヤにギーマへの弟子入りをするよう
後押しした。
自身もその旅についていく決心をする。
●色々な行動に点数をつけることがある。
採点は辛め?
●診察魔法で患者の容態を看る。
この魔法は病気や怪我、能力などを
正確に把握することができる。
ただし、未知の病気に関しては
正確な状況が分からない。
●病気についての知識が豊富。
薬についても詳しい。
分野によってはトーヤより上。
●攻撃魔法の中では氷系や水系が得意。
武器はレイピアで、
名工ムラサの作った『ミヤビ』を装備。
●闘気斬という剣技を使う。
集団戦で絶大な効果を発揮する。
●正義感が強く、負けず嫌い。
たまに落ち込むこともある。
●ギーマに厳しく諭され、
経験不足を強く認識することとなる。
●副都へ移動する船の中で
怪しい動きをしていたが、
本人は覚えていない様子?
●副都の実家へ戻った際に身柄を拘束され
現在の状況は不明。
名前:クロード
職業:マイルの秘書
種族:魔族(元・中民)
性別と年齢:男/185歳
(外見は17歳くらい)
●サラサラ陸運でマイルの秘書をしている。
執事力(?)はかなり高い。
経営にも深く関わっているようだ。
●トーヤのことが好き。
男性も女性も好きな性格らしい。
●商人としての知識や経験はあまりない。
ただ、マイルの仕事を手伝っているので
それなりの実力は自然に身についている。
本人は無自覚。
●陸走船では最高級の茶葉を使った紅茶と
王都の老舗・トイトイ屋のお菓子を
差し入れした。
その2つの相性は抜群。
●トーヤがミューリエと
茶飲み友達だと知り、
密かに自分もその仲間に入りたいと
思っている。
●バジリスクの攻撃により
瀕死の重傷を負った。
幸い、処置が早かったおかげで
一命は取り留める。
●剣と魔法を同時に操れる。
剣と魔法の複合技や身体強化魔法など、
戦闘力は高い。
また、魔法容量も高い。
●便利な魔法道具を持っている。
ただし、社有のものも含まれる。
●砂漠暮らしのせいか、目がいい。
●お肌がきれい。それは温泉のおかげ。
ノースエンドの温泉によく通っている。
●覗きをトーヤに勧めたりするので、
カレンには特に敵視されている。
●商売に関する情報収集をするよう
マイルから申しつけられているようだ。
アンカーのミスリルもその対象のひとつ。
●サンドパークを出発する際、
旅に加わった。
●マイルからの指示により、
副都到着後にパーティを離れて
サンドパークへ戻った。
名前:ライカ
職業:薬草師
種族:魔族(元・平民)
性別と年齢:女/123歳
(外見は18歳くらい)
●サンドパークの町立施療院で働いていた。
●シンディの実質的な弟子。
薬草師としての技術も持っている。
●トーヤの薬草師としての技術の高さに
憧れている。
ただ、彼女自身も一般的な薬草師よりは
レベルが高い。
●薬草師としてのレベルは
トーヤの方が圧倒的に上らしい。
今では彼の助手的な感じになりつつある。
●トーヤのことを最初は女の子だと
勘違いしていた。
●サンドモービルを扱える。
●バインドや結界魔法、強化魔法、
探索魔法など、補助魔法全般が得意。
そのほかの系統の魔法や物理攻撃は苦手。
ただし、攻撃魔法の中では唯一、
光系だけは得意。
●光系の強力な魔法を操れるなど、
魔法容量は高い。
●食事の味付けにはうるさい。
これは薬草師ゆえの職業病のようなもの。
●祖母は占い師。
●サンドパークを出発する際、
旅に加わった。
名前:サララ
職業:デリンの使い魔
種族:魔族(元・上民)
性別と年齢:女/不詳
(外見は14歳くらい)
●デリンの使い魔。
色々あって破門宣告を受けたが、
いつか迎えに来てくれると信じている。
●デリン以外の使い魔になる気はない。
ただし、トーヤに対する感情には
変化の兆しが……。
●元・魔王の四天王である
デリンの使い魔だけあって魔法力は高い。
強力な魔法も扱える。
ただ、成功率がかなり低い。
●力は弱いので物理攻撃は苦手。
●みんなの役に立ちたいという想いが強い。
●浮遊魔法が得意。
ただ、それでも成功率は40%……。
●魔王ノーサスや親衛隊に知り合いが多い。
●かなりのドジッ子。
ただ、料理は得意で滅多に失敗しない。
●失敗してもめげないポジティブな性格で
努力家でもある。
●遠慮がなく、酷いことでもサラッと言う。
ちょっとKYなのかも。
●ガイネが王都へ行くことになり、
ひとりになった彼女はトーヤたちの旅に
加わることとなった。
●転移魔法に失敗して池などに
よく落ちていたため、泳ぎが得意。
名前:エルム
職業:トーヤの使い魔
種族:魔族(元・下民)
性別と年齢:男/12歳
●姉のニーレが大好き。
それゆえに失った悲しみは強い。
●優しく接してくれて、
同じ下民という境遇でも強く生きている
トーヤに憧れを感じている。
●トーヤを『兄ちゃん』と慕い、
帰らずの遺跡で使い魔となった。
●頭の回転が速い。機転も利く。
●ロンメルを特に敵視している。
●基本的に魔法は使えない。
だが、ロンメルとの対決では
光系の高位魔法を使った。
これには何か秘密がありそう……。
●アンカーを旅立つ際、
正式に仲間に加わった。
名前:ロンメル
職業:トーヤの使い魔
種族:真祖のヴァンパイア
性別と年齢:男/
数百歳以上
(外見は20歳くらい)
●真祖のヴァンパイアで、
従えているヴァンパイアも多い。
●誰かを指名する時に指を差すクセがある。
●トーヤのことを女の子と勘違いしていた。
本来は女性の血しか吸わないという
ポリシーがあるが、
トーヤの血を吸ってしまったのは
それが理由。
●トーヤの血の味が気に入り、
血の提供を対価にトーヤの従者となった。
●帰らずの遺跡にいたのは暇つぶしのため。
その期間は数百年以上!
●銀の弾や光系魔法の攻撃でも倒せない。
しかもトロル以上の自己治癒能力がある。
●基本的に不死身。
●動きも素速い。
●簡単な火の魔法を使える。
魔法や魔術契約に関する知識も豊富。
●流水が苦手ではないと言っているが
その真実は……。
名前:ティアナ
職業:医師/薬草師
種族:ドラゴンマスター
性別と年齢:女/不明
(外見は15歳くらい)
●ギーマの一番弟子。
薬草師としてのレベルは高い。
●伝説とされている
ドラゴンマスターの生き残り。
その能力にドラゴン族は逆らえない。
●タフな肉体と回復力を持つ。
激しい拷問に耐えられたのはそれが理由。
●魔法も扱えるが、物理攻撃の方が得意。
名前:ギーマ
職業:薬草師
種族:魔族(元・上民)
性別と年齢:男/
1000歳以上
(外見は22歳くらい)
●魔界一の腕を持つ薬草師。
一般的に『ギーマ老師』と呼ばれている。
彼に作れない薬はないらしい。
●今は隠居し、
魔竜山にある庵で暮らしている。
●魔法力で若い姿を維持している。
理由は個性的なファッションを
似合うようにしておきたいから。
●個性的なファッションに
自信を持っている。
ただし、クレアには不評。
●ミューリエに対して敬っているような
態度が見られる。
過去に何かあった?
●トーヤたちの実力を試し、
彼らが経験不足であることを理由に
一度は弟子入りさせることを断った。
だが、セーラやトーヤの決意に
心を動かされ、
王都から自分の足で庵まで
到達できたらという条件付きで
弟子入りを認めることとなった。
●セーラは職人同士ということで
気が合うようだ。
●何人かの直弟子がいる。
●クロウの強襲により
連れ去られてしまった。
名前:クロウ
職業:使い魔
種族:魔族
性別と年齢:男/583歳
(外見は12歳くらい)
●ノースエンドへ向かう陸送船に
密航していた。
トーヤたちの計らいにより、
無罪放免となる。
ただし、行動はある程度、
制限されている。
●実はガイネの身柄を拘束し、
その技術を悪用して女王たちに反逆を
しようとしている一派のひとりだった。
●元・魔王の四天王の使い魔らしい。
その実力は圧倒的。
物理攻撃や魔法攻撃もそつなくこなす。
●使い魔として様々な仕事をしてきたため
意外に博識。
●副都でカレンに化けて
トーヤたちと一緒に行動していた。
ギーマをさらい、そのまま姿を消す。
名前:ラグナ
職業:執事
種族:魔族
性別と年齢:男/不明
(外見は25歳くらい)
●カレンの父親であるグラン侯爵の執事。
●グラン侯爵に絶対の忠誠を誓い、
彼の命令は全てに優先する。
●策士で狡猾。副都では兵士を忍ばせ、
隙あらばトーヤたちを
捕まえようとしていた。
●今も身分制度の考え方を捨てず、
下民はゴミ以下だと思っている。