くっ、電磁シールドだと!?
……ちょこざいな!!

そういうこった。こいつは
ただの飛行船じゃねえ……。

旦那様がお嬢様にあつらえた、最新型の軍の強襲揚陸艦を改装したもんなんだぜ!

つまり、てめえは軍艦を相手にケンカを挑んだってわけさ!　ザマーミロ!!

――げぇっ!?
電磁シールドに穴が!!

ふっ、無駄なことを。軍艦だろうと
転移も中和も拒むなら、俺直々に
侵食してやろう。くくく……、

お嬢様の船に穴をあけるようと
するとは、ふてえ野郎だ!!
こうなったら――!

超・電磁シールド展開!
奴を船内に入れるな!!
このまま振り落としてやる、
短距離ワープ航法準備開始!!

――うおっ!?
高Gで振り落とすつもりか!?

うおおおおおおっ!!

――しまった!!

やったぜ!　そのまま宇宙速度で、
宇宙の果てまで飛んで行け!　あばよ!!

……貴様あああぁぁ……!?

……あっ。

どうしたの?　省エネモードに
してたのかと思ってたのに。

いや、イエローが第三宇宙速度でどっか
飛んでく。これまずいんじゃないかな。

ええっ、座標教えて。
私が飛んでいくから。

あいよ。相対速度に気を付けてね。

……さて、地球に帰るか。
しかしなんだったんだ、あの猫。

因幡稲葉様のお宅へまもなく到着。

おい、戻ったぞ。お嬢様方は無事。
談笑しておられた。異変にも
気づいていないようだったな。
さあ、ここを開けろ。

……ああ、もう開いてますぜ。

そうか。なら、入るぞ。

!!　……これは、大量の血!　一体ここで何が。いや、佐々木お前は無事なのか!?

……佐々木?　どうした、返事をしろ。
佐々木、どこにいる?　悪ふざけはやめろ

……。

すまねえな、姐さん。こんな姿じゃ、　もう姐さんに会わせる顔がねえ。

ケーキうまかったぜ。どうか
幸せになってくれよな、あばよ。

!!　キツネ……?　どうして
こんなところに?

いや、あれは……佐々木……か?

宮本?　わたくしたちを
降ろしてちょうだい。

はい、お嬢様。かしこまりました。

……?　どうしたの、なにかあって?

いえ、問題ありません。ただその、
後ほど報告することがございます。

……わかったわ。