レンセンパイは悔しがる不夜城助教授と実験場の片づけを、多椙センセイは可哀そうなチビクロを引き取ると、いつの間にか姿を消していた。

ボクもレンセンパイを手伝いたかったのだが、強引にゴリさんに手を引かれたのだ。

ゴリアテ

ゆーま、こっちへいらっしゃい。
もう遅いから、わたくしが
家まで送ってあげるから。

ゆーま

あ、うん。

ゴリアテ

ほら、えるふも。そんなんじゃ
可愛いお顔が台無しですわよ?

最強院えるふ

ぐずぐず……は、はぁい……。

ゴリアテ

まったく、世話の焼ける子たちだこと。

ゴリアテ

わたくしです。宮本、
わたくしたちの位置は確認できて?

宮本武蔵

問題ありません。お嬢様と
ご学友のお二方の合計三名様ですね

ゴリアテ

ええ。それと何か甘いものを
四人分用意しておいて。

宮本武蔵

……? かしこまりました。

宮本武蔵

ようこそ、真白お嬢様の船へ。
そちらのお嬢様は初対面で
ございますね、私宮本と申します。

ゆーま

あ、はい。ゆーまです。
……宮本さん。

ゴリアテ

ふふっ。

宮本武蔵

お嬢様。何かいたずらをされていますか?
先ほどから不可解なのですが。

ゴリアテ

そんなことはなくってよ。それより  宮本。わたくしたち大事な話があるから終わったら席を外してちょうだい。

宮本武蔵

……承知しました。何かあれば
すぐお呼びください。

ゴリアテ

……四種類にするなんて、宮本も
意地が悪いわね。ゆーまはどれにする?

ゆーま

えっと、じゃあチョコがいい!

ゴリアテ

そう。なら、えるふは?

最強院えるふ

……ぐすっ、えーと、
じゃあイチゴちゃんで!

ゴリアテ

じゃあ、イナハは?

ゆーま

え? あたしはチョコって言ったよ?

ゴリアテ

……そうね。あなたはさっき、
チョコって言ったわよね。

ゆーま

……?

ゴリアテ

ああ……イナハ。可哀そうに、
こんな姿になって。
騙すようなことを言ってごめんなさい。

ゆーま

……ゴリさん? えっと……あっ。

そのとき、ボクはようやくわかった。それがゴリさんのひっかけだということに。

そして悪意がないのは、その抱擁ですぐに分かった。それは、ユイガ博士がボクにしたものと、おんなじ種類のものだったからだ。

ゴリアテ

昨日なにがあったのか、話して頂戴。 どんな内容であっても、
わたくしは信じると誓うわ。

ゆーま

う、うん。実は……。

イナバイナハ

――。

ゆーま

――。

四天王

――。

最強院えるふ

なんてこと、そんなことが……。

ゴリアテ

なんてことなの、想像以上だわ。
信じると言ったわたくしですら、
頭がクラクラしてくるような内容。
まさかこれほどとは……!

ゴリアテ

いえ、落ち着くのよ麗華。あなたの妹が愛しい人が困っているときに助けられなくて、なにが友人、なにが仲間なの。
大事な人の窮地を看過する、そんなかりそめの絆など、わたくしは欲していない

ゴリアテ

そう、わたくしは真白英雄の娘、
真白麗華。今こそあなたの
親友として命を捧げるとき……!
そしていずれは……。

ゴリアテ

そう、よくあることよね。大変
だったでしょう。お家まで送るから
今はゆっくりとお休みなさい。

ゆーま

えっ、そうなの?

ゴリアテ

ええ。話したことはなかったかしら
わたくしの父が、朝起きたら
シロクマになっていた時の話を。

ゆーま

ええ、知らない。聞かせて聞かせて!

最強院えるふ

……うふふっ。

ボクたちが談笑していたころ、そとではとんでもないことが起きていたのだった。

宮本武蔵

どうした佐々木、
ここを開けろ、開けるんだ!!

佐々木小次郎

うおおおおおおっ!!

四天王

ふっ、無駄なことを。

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