【第十七幕】
『すれ違う二人、彼もまた新しい舞台へ』
【第十七幕】
『すれ違う二人、彼もまた新しい舞台へ』
あ、兄貴……
何を言ってるのさ
何って、お前こそどうしたんだよ
いや、だから竹内さんが……
た、竹内さんが……?
あれ、変だ何かおかしい。
兄貴ってこんな物忘れが激しかったのか。
それとも実は、ものすごく女たらしな性格だったのか。
ちょっと、竹内マチさんの事だよ
あんたの彼女のさ
お、おれの……
か、かのじょ……
ちょっといい加減にしろよ!
忘れるとか少し酷くないか!?
す、すまんごめんよ
大事な事だもんな
は、はあ?
それから俺達の間では『竹内マチ』の話題が消えた。
さらに高校に上がるまで二人の間に見えない壁みたいなものが出来たような、結構気まずい仲になっていった。
会話も徐々に減り、自身は基本勉学に没頭した。
兄貴は常に「彼女ほしぃー」と言いながら遊び呆けている。
そして俺は、
【神谷コウタ(16)高校一年】
になった。
……
おはー、コウタ!
おっす、ヒロキ
彼は坂本ヒロキ、高校に入ってからの友人第一号だ。
『チャラ男』ってイメージがあるようだが、実際は成績クラス一位の意外系男子くん。
しかも俺が死ぬほど努力して入学したこの高校でだ。
正直嫉妬もしている。
女って良いよな
突然なんだよ
うん、でもやっぱりそういう血は流れているようだ。
コウタってさ、妹か姉はいないのか?
ウチは兄貴だけだよ
てかお前は女なら誰でもいいんか!
へー、兄がいるんだ
イケメン?
彼女持ち?
彼女は最近出来たって母さんに報告してた
本人曰く『クラスのマドンナ的存在』らしい
昨日もその人と出かけてたよ
うらやましけしからん!
俺も可愛い彼女ほしいぞ
そうか?
俺は全然必要ないね
ぜんぜん前世?
は?
コウタくーん
ちょっといい?
あ、イケメン先生!
あ、はい!
まだ授業の時間ではないが突然教室のドアが開き、クラスの担任を務めるイケメン先生が俺に話しかけてきた。
先生の本名は教えてくれない。
本人曰く「国家機密」だそうだ。
ちょっと俺に付いてきてくれるかな?
こ、ここでは駄目ですか?
「きゃーイケメン先生♡」
「イケメン先生♡ 個人授業してくらはーい♡♡♡」
「すきすきすきすきすきやきぃぃぃぃぃぃぃx♡♡♡」
「アタシしってるよ♡ 先生ストリエはじめたっしょ♡ お気に入りしときまーす♡♡♡」
「うそ♡ それ初情報♡ アタシもアタシも♡♡♡」
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困ったな、スマホの通知が止まらないね……
や、やっぱり付いて行きます……
てか女子の人数おかしくないか?
第十七幕 終