部屋を進むと、
倉庫のような場所に辿り着く。



ウラシマさん、これ見てください

ウラシマ

これは、見取り図か

でも、どうしてこのような場所に

ウラシマ

知るか。でも、活用させてもらおう

…………

それを手に、
出口を探していく。















途中で現れる料理を持った美女たちを
かわしながら進む。















そして、ようやく最後の扉に辿り着いた。

ウラシマ

ここを抜ければ出口だ

待ってください

 亀が呼び止める。

ウラシマ

どうした?

この先は海の中。ウラシマさんは人間です……

このまま進めば溺れて死んでしまいます

ウラシマ

どうすれば

……私を殺して

 亀は突然、
そんなことを言い出した。

ウラシマ

私のエキスを飲めば大丈夫。息苦しさもなく、地上に戻れます

ウラシマ

馬鹿を言うな! どうして助けた君を殺さなければならないのだ

………

………

亀は悲しそうに笑う。
この展開を知っていたのだろう。





知っていて、
一緒に逃げようという
ウラシマの後をついてきたのだ。











ウラシマを逃がす為に、
自分が犠牲になる為に。

ウラシマ

一緒に生きることは出来ないのか

人間と亀ですよ。無理ですって

ウラシマ

……

悔しさに奥歯を噛みしめる。
こうして立ち止まっていてはいけない。


だけど、


進むためには
犠牲が必要になってしまう。
 

悔しい、

悔しい、

悔しい、

悔しい、

悔しい、

悔しい、

オト姫

ウラシマさま。貴方に選択肢を与えましょう

 そこに現れたのはオト姫だった。
 最悪の展開だと思い苦笑する。















 そして、
 彼とオト姫の間に
二つの箱が現れる。













 大きな箱と、小さな箱。



 箱を挟んで、彼らは向かい合う。

オト姫

どちらかを開けば、この子を殺さずに貴方は竜宮城の外に出ることが出来るかもしれません

ウラシマ

もう片方を開けば?

オト姫

それは、開けばわかります

妖艶な笑みに
気味の悪さを感じた。

亀を殺してまで地上に帰りたくはない。

 

つづく

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