認証を終えると、パープルはその場の全員に声をかけた。

で、その後の守備はどうなってる?

四天王

はっ。それがイエローは依然元に戻らず原因も不明のままです。

四天王

にゃーん。

四天王

今の状態ではただのネコと変わりあり ません。こうなる前のバックアップで 元に戻すことは可能ですが……。

その場合は昨日の記憶もすべて失われてしまう、か。困ったものだ。……次。

四天王

昨日敷地内にいたすべての者の身辺調査を行い、入館記録から矛盾する怪しい 人物を見つけました。

ほう、聞かせてくれ。

四天王

因幡稲葉。検査課に応援に来た学生なのですが、昼に社員に目撃されたのを最後に、データ上はまだこの敷地内にいる ことになっています。本人は自宅での 生存を確認。現在は登校中のようです。

ほう、産業スパイの可能性か。ノミとりはしていたつもりになっていたという ことか。……次。

四天王

消えた介護用ドロイドですが、いまだ 行方が掴めません。内外から手引きされた痕跡もなし。もしかすると……。

どうした、遠慮なく発言せよ。

四天王

はっ。考えにくいことなのですが、賊は我らと同じ技術を持っているのではないかと。これは自分の憶測なのですが。

たしかに我々ならば痕跡もなく侵入し、立ち去ることは可能だ。それはちと厄介だな。……ふむ。

よし、イエローは現在の状態を記録してデータを隔離、現場へ復帰させここの 警護にあたらせる。グレイ、貴様は  データの解析とイエローのフォローだ。

四天王

はっ。

ブラッ……シャドウは因幡稲葉という 学生に張り付き、事件との関係性を調べろ。ただし確証が得られるまで手は出すなよ。尻尾を捕まえるまで絶対にだ。

四天王

はっ。

ホワイトは引き続き介護用ドロイドの 捜索だ。強奪、遠隔操作、自立稼働などあらゆる可能性を考慮し捜査にあたれ。

四天王

はっ。

敵が我々と同じ力を持っていたとすると……ふむ。吾輩は結賀博士を尋問するとしよう。何か知っているかもしれん。事故や偶然の可能性はこの際除外する。

よし、全員持ち場に戻れ。解散!

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