* * *

旧アインスターク城

* * *













古城を前にして、


一つの影が山肌を滑るように登ってきました。




ソルフェージュ様達を乗せた


ワイルドウインドさんです。



ギーズ

さぁ、着いたよ。

ソルフェ

ギーズよ、助かったぞ。

ポメラ

ぶっすー。

ギーズ

いいっていいって。
それより、この後はどうするのさ?
ここに来る事が目的じゃないだろ?

ソルフェ

ああ、まあな。

ポメラ

だが、テメーには教えねぇ!

ギーズ

まだ怒ってるのかい、ポメラ。
僕は君たちの目的自体を知る気はないさ。

ギーズ

ただ、中に入るのかどうかを
知りたいだけだよ。

ギーズ

僕はこの中に用があるからね。

ポメラ

フン!

ギーズ

そうだ、ポメラ。
ケーキでも食べるかい?

ポメラ

け……ケーキ……だと?

ソルフェ

ピクッ

ギーズ

ケーキマンで良ければ、ね。

ポメラ

いらんわー!














ノルセスト山の古城





















ソルフェ

さて、着いたはものの……。

ソルフェ

これではなぁ……。




旧アインスターク城へと到着した


ソルフェージュ様御一行。



ため息混じりで城門を見上げます。














なんと、見上げた城門は


扉こそ開いていますが、


分厚い氷が入り口を


すっかり覆っているではないですか。

















ポメラ

そらまあ、3年も放っておかれたら、
氷にも閉ざされるわな。

ポメラ

オラァ!







というが早いか、


ポメラさんは門を閉ざす氷に


渾身の斧撃を食らわせます。


しかし……。

ポメラ

ダメだ。
密度が半端なく高いぞ、この氷。
打撃じゃびくともしないぜ!

ソルフェ

致し方あるまい。
時間もないことだ。
多少魔力を食うが、熱で溶かすとしよう。

ギーズ

まって、ソルフェ。



手に炎をまとい始めた


ソルフェージュ様を見て


ギーズさんがそれを止めました。

ソルフェ

む?

ギーズ

このくらいなら僕が開けるよ。

ノーラ

『このくらい』だとぉ?



そう言うとギーズさんは


肩にかけたカバンから


薬袋のようなものを取り出しました。


そして……

ギーズ

いでよ、イフリート!





ギーズさんの掛け声とともに


炎の化身が現れました。










無間の業火
≪ミスフォーチュン
ヘルファイア≫







































程なくして炎の化身が姿を消すと


城門を覆っていた氷は


全て溶けていました。


ギーズ

餅は餅屋、四属性は四精霊ってね。

ポメラ

むっきー!
なんか腹立つ!

ソルフェ

ふむ。
何はともあれ助かったぞ。















ソルフェージュ様御一行が城門をくぐると


そこにはおどろおどろしい城が


そびえ立っていました。




魔王アインスタークが滅んではや3年。



アインスターク城壁内は



今もなお忌々しげな空気が漂います。












ソルフェ

ところで、ギーズ。

ギーズ

なんだい?

ソルフェ

お前は何を企んでいる?

ギーズ

……人聞き悪いなぁ……。
僕は何も企んでないよ。

ソルフェ

お前がそんな殊勝な考え方を
するわけなかろう。
大方なにか別の目的のため
我らを利用するつもりだろう?

ギーズ

やだなぁ、ソルフェ。
僕だって少しは成長するさ。
いつまでも好き勝手やるわけじゃないよ。

ソルフェ

……別件を咎めるわけではない。

ソルフェ

だが、何もないと
我らを騙し続けるのであれば……

ソルフェ

それはまた別の話。

ギーズ

……そうだね。
確かに僕には僕の目的があるよ。

ギーズ

けど、僕がソルフェたちの目的を
聞かないように……

ギーズ

ソルフェたちも僕のことを
必要以上に詮索しないで欲しいなぁ。

ソルフェ

……。

ソルフェ

……まあよい。

ソルフェ

この城内を探索するという点では目的が合致するのだろう?
当面は協力しよう。

ギーズ

そうそう。
さすがソルフェ。
良くわかってるね。

ポメラ

なんか棘があるな。

ギーズ

そうと決まったら、さあ行こう!

ポメラ

まて!ギーズ!
先頭は戦士って相場が決まってるんだ!

ギーズ

あはは……。
相変わらずポメラは頭が硬いなぁ。






すっかりギーズさんに


ペースを乱されてしまった


ソルフェージュ様とポメラさん。




先を行くギーズさんの後を


追いかけるように進みます。




果たして、旧アインスターク城の探索は


上手くいくのでしょうか?



ギーズ

まったく、ソルフェは鋭いなぁ。





























つづく


【勇者勇の装備】
レベル  :19
めいせい :191
ぶき   :新品の短剣
よろい  :鋼鉄のよろい
かぶと  :銀の額当て
たて   :なし
どうぐ  :野ばらのペンダント
      焼豚×2
      焼きとり×2
      霊薬草×5
      淡水ザメの煮凝り
      淡水ザメの骨
      淡水ザメの牙
      黒王の羽
      いつもの額当て
      王の冠
      カジノコイン×2560
      緋糸手句の防寒具
なかま  :[泉守]ダイ
      [もふもふ]もふもふ
      [魔導エンジニア]ラムディッシュ
とくぎ  :ファイアブレス
      トキシックブレス
      釣り
      カン
      介抱
じょうたい:なし

【シーラの装備】
レベル  :12
めいせい :230
ぶき   :いつもの本
よろい  :いつもの服
かぶと  :いつもの飾り
たて   :なし
どうぐ  :やくそう×94
      イーサ薬×9
      乗船券×4
      おみやげ×99
      ガラスの破片
なかま  :[コボルト]ライル
とくぎ  :しょうかん
      値切り
      冷やかし
      虫の知らせ
      ディゾネの思い出
じょうたい:なし

第58話 ノルセスト山の古城

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