* * *
サーシャ・ドルバ邸
* * *
* * *
サーシャ・ドルバ邸
* * *
もう行かれるの?
まだ目を覚ましたばかりだというのに。
ええ。
うなされていたかもしれないけど、
寝てただけだから。
おかげさまで、十分体力を蓄えられたわ。
そう……。
でも、私にはどうにも心配で……。
そんな顔をしないで、サーシャ。
もう大丈夫だから。
すると、サーシャさんの影から
小さな人影が現れました。
お姉ちゃん、行っちゃうの?
サーシャさんの愛息子、
サティンさんです。
安心して、サティン。
またすぐに戻ってくるわ。
だから、
お母さんの言うことをよーく聞いて、お手伝いもするのよ。
わかった?
うん!
まだ朝もやが立ち込める中、
シーラさんは
空を見上げ雲行きを伺います。
穏やかな天気……。
これなら、あの子が最適ね。
悠久の風を切り
眼下の大地も意に介さぬ
大空の支配者よ!
その誇り高き翼を我に貸し給え!
この詠唱は……。
その誇り高き翼を我に貸し給え!
いでよ、ワイルドウィンド!
さあ、行きましょう、ライル。
はい!
なんだろう……。
悪い予感がする。
急がなきゃ。
切れた糸
* * *
ラムディッシュ邸
* * *
キュゥ
あれ?ちょっと待てよ?
どうしました?
何かを思い立った
ラムディッシュさん。
少しばかり嬉しそうです。
『忌避の盾』を奪ったやつを捕まえたって事は、もしかして俺はお師匠さんに会わなくて済むんじゃ……。
え……ちょっとまって……
ああ、もちろん勇者様は送るよ?
うん。送ります。
でも、お師匠さまには勇者様達だけで、会えるんじゃないかな?
どうかな?
そんなぁ……。
じとー
あ……あんた……
みんなは一斉に
ラムディッシュさんへ
冷たい視線を投げかけます。
そ……そんな非難の眼差しを向けるなよぉ……
誰だってつらい過去があるってもんだろ?俺の辛さもわかってくれよぉ……。
ま……まぁ
そこまでいうなら……無理にとは……。
惚れ直して損したわ。
でも、それなら『夢渡のボアン』から『忌避の盾』のありかを聞きださないと。
んー、まあそうだな。
魔物の口から情報を引き出すという難題。
ラムディッシュさんの顔が曇りました。
その時です。
あ!
声を上げたダイさんが
ある方向を指差しました。
どうした?
!!!
……う……うう
ダイさんの指差した方を見ると
『夢渡のボアン』さんが
目をさましていました。
呪印の連符で縛られた
『夢渡のボアン』さんは
身動きが取れません。
ちょうどいい。
これで『忌避の盾』の情報を聞き出せる。
ラムディッシュさんは
『夢渡のボアン』さんに近寄ります。
……や……やめておくれ……。
ウソじゃ……。
何がウソだ!
俺は確かにあの時オマエの姿を見たぞ!
それにオマエだって『忌避の盾』を
奪ったと言ったじゃないか!
詰め寄るラムディッシュさん。
『夢渡のボアン』さんは
酷くうろたえます。
ひいぃいぃ……
んー?
『夢渡のボアン』さんの
あまりの狼狽えぶりに
勇者様は違和感を覚えます。
一介の人間にここまで怯えるものなのか?
諦めて大人しく忌避の盾のありかを
言っちまいな。
来るなァァ!!!
ふと勇者様は
『夢渡のボアン』さんの
視線の延長線上を追いかけて
後ろを振り返りました。
クルッ!
マズい!
宙に浮かんだ
正四面体の結界のようなものは
ラムディッシュさんの
背中へと一直線に向かいます。
危ない!
うわっ!
勇者様はラムディッシュさんに飛びかかり
揃って地に伏せました。
次の瞬間。
ミ
ナ
オ
レ
ノ
モ
ノ
ギャアアァァ……
一際眩しく光ったあとには、
『夢渡のボアン』さんの姿はなく
断末魔だけ木霊していました。
……いない……。
『夢渡のボアン』が……。
……やられた。
ラムディッシュさんは
再び『忌避の盾』の手がかりを
失ってしまいました。
つづく
【勇者勇の装備】
レベル :19
めいせい :191
ぶき :新品の短剣
よろい :鋼鉄のよろい
かぶと :銀の額当て
たて :なし
どうぐ :野ばらのペンダント
焼豚×2
焼きとり×2
霊薬草×5
淡水ザメの煮凝り
淡水ザメの骨
淡水ザメの牙
黒王の羽
いつもの額当て
王の冠
カジノコイン×2560
緋糸手句の防寒具
なかま :[泉守]ダイ
[もふもふ]もふもふ
[魔導エンジニア]ラムディッシュ
とくぎ :ファイアブレス
トキシックブレス
釣り
カン
介抱
じょうたい:なし
【シーラの装備】
レベル :12
めいせい :230
ぶき :いつもの本
よろい :いつもの服
かぶと :いつもの飾り
たて :なし
どうぐ :やくそう×94
イーサ薬×9
乗船券×4
おみやげ×99
ガラスの破片
なかま :[コボルト]ライル
とくぎ :しょうかん
値切り
冷やかし
虫の知らせ
ディゾネの思い出
じょうたい:なし