…その後

変態教師ランデブーは赤毛へのセクハラが原因で学校を退職した。

ランデブーはあの行為はセクハラではないと訴えたたがPTAや世間、学校がそれを認める事はなかった

おそらくもとから変態そうな見た目だったのも災いしたんだろうと私は思う

ちなみに変態行為を受けた赤毛も学校にいずらくなって結局すぐに転校していった

こうして、私の学校生活に平和が訪れたってわけだ

あら、また妄想?

と、アヤノが残念な人間を見るような目で私を見つめてくる

ランデブーが倒れて
急に自習って言われても
やる事ないから暇なんだよ

え、と…勉強すればいいんじゃないかしら?

ソノちんが真面目に勉強してるの見た事ないな~

そうね
興味ある授業以外は
基本的にスマホ触ってるか
寝てるか、ね

ま、その通りだな

だけど今日は眠くもないし
おまけにスマホも持ってきてないんだよな

そもそもスマホを学校に持ってきちゃいけないけどね

あ、そうだっけ?

やる事がない自習という名の悠久の時間は辛いね

くーは永遠に学校にいるつもりなの?

くー達の仲はエターナルって事だよ!

…意味が分からん
つうか、なんで急に英語?

つまり永遠に友達って事ね

ザッツライト!

私もずっと友達よ
くーちゃんとは

わーい!

なんてこった
ヤバい奴が二人に…

永遠に友達か

ちょっといいかも

う~ん
まともな人はいないのかしら?

それもそうだけど
なんか一人転校した奴が混じってたな

自分の妄想を口に出すのは止めてくれないかしら?

ソノちんは妄想癖があるから仕方ないよ

前にも言ったけどくーに言われたくないからな

え~
くーの何処に妄想癖の要素があるの?

そうね
くーのは妄想とは少し違うかもしれないわ

じゃあ、くーのはなんだよ

くーはただ頭が変なだけなのよ

あ、そうね
私もそう思う

まさかの裏切り!?

お前等本人の前でとんでもない事言い出すな

あ、私は冗談よ

…はぁ、やっと戻ってこれた

あ、セクハランデブーだ

…最低な言葉と俺の名前を合体させるな

…先生

大丈夫ですか?

…あぁ、なんとかな

どうやら過労らしいわ

スズナのせいじゃないさ

すいません
急に触られたから私びっくりしちゃって思わず…

なぁに、別に問題ないさ

俺の方こそ
もう少し気を使うべきだったわ

悪かったな

いえ、そんな…

私も…これから気を付けます

…………

そうだな

以前ならすぐに言い返した筈なのに

この短い間に成長したな

あの時の会話は無駄じゃなかったって事か

良かった

…よし!
じゃあ、少し遅れたが授業するか!

え、今からですか?

あぁ、勿論だ

実はさっき保健室のベッドで起きた時に考え付いたんだけどな

改めて自己紹介も済んだ事だし
そろそろ俺の担当科目の授業を始めようかと思って…

って、あれ?
何のチャイムだ?

下校のチャイムですね

…え?

あの…今日は学校
午前中で終わりなんです

…な、に?

お、もうそんな時間か

私、今日は店の手伝いあるから先に帰るわ

じゃあ、おつかれ~

はい
さようなら

また明日

アディオス!

……ふん

さてと

私も今日は習い事があるから

帰ろうかしら

あ、綾乃女…さんは何の習い事をしてるの?

ん、いくつか習ってるけど
今日はピアノ教室なの

ピアノか…
私も昔は習ってたな

あら、そうなの?

うん
小学生の時にやめちゃったけどね

私も…また始めてみようかな

あら。じゃあ、私が今通ってる教室はどうかしら?

え?

凄い優しい先生なのよ
私、小学生の時から通ってるけど
一回も怒られた事ないの

人に教えるのも凄い丁寧で上手だし

あ、そうだわ

赤蘭さんがよければ
この後一緒に教室に行かない?

…私も、一緒に行っていいの?

うん。
急でも先生なら絶対怒ったりしないから

あ、この後予定とかあるなら無理しなくても大丈夫だからね

ううん!大丈夫

あら。
じゃあ、一緒に行きましょう

もう門の所に車が待っててくれてる筈だから

あ…

唐突に…



綾乃女さんは私の手を握ってきた

では、私達もお先に失礼します
さようなら

あ、さ、さようなら

はい。
さよなら

アリィヴェデルチ!

そして挨拶を済ませると

二人で一緒に教室を出た

はじめて触れた綾乃女さんの手は凄く暖かかった

私は今でも




その手の暖かかさを忘れられない。

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