そして
メイド服を着た女性は
唐突に
自分のスカートの中に手を入れると
あ…来ましたね
あ、楓さん
…………
お嬢様お勤めご苦労様です
もう、楓さん
そんな堅苦しい言い方しなくてもいいのに
これは
お嬢様に対して何て失礼を…
自害します
え?
そして
メイド服を着た女性は
唐突に
自分のスカートの中に手を入れると
に、日本刀!?
楓さん
死ぬんだったら家に着いたらに
しましょうね?
…………
…たしかに
そうですね。
今、自害したらお嬢様が通う学校の美しい門を私の下賤な血で汚してしまう事になりますから
そうよ
後片付けする人の身にもなってね?
申し訳ありません
この責任は後程取らせて頂きます
そ、それで納得するの?
うん。分かってくれたならいいの
じゃあ、車を出してもらえるかしら
はい。
かしこまりました
そういえば…お嬢様
先程から隣にいらっしゃる
そちらの方は?
あぁ、私の友達よ
!?
お、お友達ですか!?
お嬢様の?
えぇ、そうよ
これは…珍しいですね
何が?
いえ、お嬢様があのお二人以外にお友達がいる事を知らなかったので
正直、驚きました
あら、それじゃ私が友達少ない子みたいじゃないの
…失礼ながら
そうかと思っておりました
あら、私にだってまだ
紹介した事のない友達はいるわよ?
そ、そうなのですか?
ふふふ。
そうよ
ね?赤蘭さん
綾乃女さんは私の方に顔を向けてきた
いや、私に言われても…
あから、さん?
まさか…あの赤蘭家の方ですか?
え?
そ、そうです
あ、赤蘭スズナです
その…はじめまして!
これは…ご丁寧に
私は綾乃女家のメイドとして仕えております
右島 楓
(みぎしま かえで)
と申します
以後お見知りおきを。
よ、よろしくお願いします
…それにしても
まさか、五大名家、赤蘭家の方と
直接お話しする機会がいただけるとは光栄の至りに存じます
い、いえ
そんな私なんか…
楓さん?
そろそろ出発しないと教室に遅れちゃうわ
あ、これは…
私とした事が
では、お嬢様
どうぞ、お車の方に
ありがとう
では、赤蘭様
お嬢様は今日はこの後
習い事があるのでここで
失礼させていただきます
あ、今日は赤蘭さんも一緒に行くから大丈夫よ
…え?
だから
今日は赤蘭さんも一緒に行くのよ
いえ、それは…
あら?何か
問題があるのからしら
うっ…
そして
綾乃女さんは楓さんに顔を近づける
二人は…今、キスが出来そうなくらい顔が近い
お、お嬢様
御戯れは…
赤蘭さんがピアノを始めたいみたいなの
はい?
だから今日は丁度いいかなって思ったのよ
赤蘭さんもこの後は特に予定がないみたいだし
先生なら急に連れて来ても多分怒らないと思うから
ね
楓さんも
そう思わない?
…………
…分かりました
では、赤蘭様
は、はい!
どうぞ
お車の方に
え、あ、でも…
…あ
いつまにか楓さんから離れて
綾乃女さんの手が私の肩に触れていた
さ、乗りましょう
う、うん
こうして私は
綾乃女さんと一緒に車に乗り込んだ。