つかさ

唯さん、ひかりさん、おつかれさまです!

ひかり

ふはぁ~今日もしごかれたね~!

おつかれさま

レッスン場で、珍しく別グループの3人、つかさ、唯、ひかりが一緒になった。

ひかり

おつかれさまっ! ねえね、違うグループ同士でレッスンなんて新鮮だねぇ

ダンスレッスンは既に終了していて、ダンスコーチの七瀬さんは欠伸をしながら帰っていった。

厳しいダンス指導の後なので、帰り支度もなかなかできず、疲れ果てた3人ともその場に座り込んでしまっている。

全員汗だくで、タオルで拭っても拭っても、汗が噴き出してしまう状態だ。

ひかり

あー…全身汗べっとべと…。シャワールームで身体流してから帰ろ? ね?

つかさ

そうですね。一度さっぱり洗い流したいですね!

ひかり

いっそお風呂に入りたいくらいだよね

ひかり

これからみんなで銭湯とか行っちゃう?

つかさ

はて? せんとうとは、どういった場所でしょう? 

つかさ

戦いが行われる場所でしょうか?

ひかり

あはは違うよー。みんなで入るおっきなお風呂!

つかさ

まぁっ、みんなで入る大きなお風呂……!

つかさ

わたくし、誰かと一緒にお風呂に入った経験はありません

つかさ

幼少の頃は、お手伝いの方に洗っていただいたりもしたのですが……

つかさ

みんなで入るというのは、とても楽しそうです!

つかさ

素晴らしい響きです! ぜひ、ぜひ行かせてください!

ひかり

裸の付き合いできちゃうよ~!

つかさ

裸の……付き合い!? よく分かりませんが、ぜひお願いします!


そこで、ひかりがキラーンと目を光らせた。

ひかり

前から思ってたんだよね。つかさちゃんの内容量を確かめてみたいっ


つかさはなんのことか分からなかったらしく、首をこてんと傾げた。

内容量ってなに……?

ひかり

えへへへへ。つかさちゃんのおっぱいが見たいってこと~!

ひかり

だってすっごい大きいんだもん! きーにーなーるー!

つかさ

お胸ですか……? ご覧になりますか!?

ひかり

揉んでみてもいい!?

つかさ

どうぞ!

ダメだから!!

わきわきと手を動かして、つかさへとにじりよるひかり。

とっさに唯が間に入ってくる。

ひ、ひかり、その手つきはちょっと……マズいんじゃないかな、色々と

つかさは全然抵抗がなさそうだったが、唯はこういう会話が恥ずかしくて仕方なくなってしまうらしい。

唯だけが一人、もじもじと赤面してうつむきがちになってしまっていた。

視線も泳いでいる。

ひかり

同性だからいいと思うんだけどなぁ?

ひかり

でも唯ちゃん、そういえば更衣室とかでも絶対みんなのこと見ないようにしてるよね

み、見ちゃうのは悪い気がして……

ひかり

うーん……私は全然見られても気にしないけどなぁ

ひかり

でもうん、唯ちゃんが苦手ならお風呂はやめとこっか

つかさ

え、大きなお風呂に行かないのですか……?

つかさ……

しょんぼりしてしまったつかさを見て、唯は葛藤している様子だった。

今まで世界の狭かったつかさが色々な経験をしたい気持ちも、唯には理解できる。

お風呂は恥ずかしいけれど、つかさの為に一緒に行くべきではないのか……

そこで、物思いに耽っていた様子のつかさが、パッと顔をあげた。

つかさ

なるほど、分かりました!

え、な、何が?

つかさ

唯さんは、ナイトなのですね!

なんでそうなったの!?

つかさ

……? 胸を見ることや、触ること、その話題すら良しとしないのは……気になってしまうからではありませんか……?

つかさ

しかし、騎士道精神があればこそ、なおもお胸を見ることを自分に許すことができない……。素晴らしいことです!

つかさ

だから唯さんは、わたくしの胸を守ってくれるナイトなのです!

つかさ

お胸を守るナイトがいてくれたら、大きなお風呂も安心ですよね!

え、え、え……

ひかり

確かにそれなら大きなお風呂でも安心だね!
つかさちゃんの胸を狙ってる子多いだろうし!

それってひかりのことでしょ!?

あの、あのね、つかさ。私はナイトなんかじゃないよ?

つかさ

違うのですか?

そ、そう。私、可愛いものが好きで。女の子のアイドルとか、キラキラした可愛い衣装とかそういう見ててキュンキュンするって言うか……

つかさ

見ててキュンキュン……

ほ、ほら、可愛いものって壊さないように大切にしたいって思うよね?

つかさ

壊さないように大切にしたい……

う、うん。だから私が全力で守らなきゃって

つかさ

私が全力で守る……

つかさ

唯さんは、やはりナイトです!

あああぁ……

更なる納得を深め、目を輝かせるつかさを前に、唯はどうしたら良いものか分からなくなって頭を抱える。

そこに、ぽんぽん、とひかりが唯の肩をたたいてきた。

救いを求めて、唯はひかりを見つめる。

ひかり

唯ちゃんは、大切なことは守ってくれるもんね。おっぱいナイトだもん

変な異名ついてるから……!

救われなかった唯は、がっくりとうなだれるしかない。

つかさ

では、行きましょうか!

えっ?

ちょっと待ってつかさ。どこに行くの……?

つかさ

ナイトがいれば安心だと言ったではありませんか! みんなで大きなお風呂に行くのです!

ま、待って待って。それはあの……っ

ひ、ひかり、助けて

裸は、やっぱり恥ずかしいよ……

ひかり

あ、あうぅ……ごめん。ど、どうやって助けたらいいのか分かんないよぅ

ひかり

大丈夫だよ唯ちゃん。目をつむってればすぐに済むから、ね?

…………

唯は覚悟を決めたようだった。

キッとまっすぐにつかさを見据える。

わかった。つかさがそんなに大きなお風呂に行きたいなら望みを叶えたい。それに――

私がつかさのことを守るから

ひかり

ナイトだ……!

ひかり

私までキュンキュンしちゃうよ……!

つかさ

唯さん、よろしくお願いいたします!

ひかり

あれ? つかさちゃんは、ときめいちゃったりしない?

つかさ

……? 唯さんは女の子なので、ときめきはしません! とっても素敵なナイトだとは思いますが!

ひかり

唯ちゃんにときめかない女の子、初めて見たかも……!

その方が救われる……

つかさ

さぁさぁ、みなさん大きなお風呂にれっつごーなのです!

泉水つかさ:おっぱい騎士(ナイト)

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