経丸がお気に入りの、タヌキのぬいぐるみに話かけていると
ポラちゃん聞いてよ。今日ね私いいことがあって
経丸がお気に入りの、タヌキのぬいぐるみに話かけていると
殿ー。
あっ。これはだな。落ちていたから
士郎はぬいぐるみを抱えている経丸をみて、
殿。女の子らしくて可愛い
経丸は恥ずかしさで顔を真っ赤にしながら、
言い訳しようとした。
殿。あのいけ好かない野郎が出かけようと言ってましたが
片倉が言ってたのかわかった。今すぐ準備するわ。
お主.我の事信じてないな。
いや。そんなわけじゃ
士郎はおどおどしながらその場を去った
片倉は経丸をお花畑に案内した。
士郎はそこに黙ってついてきた。
うわー、すごーいきれい
経丸は、興奮して走りまわった。
殿どうですか、ここは?
すごくいい。気にいった。
あいつこうやって殿の機嫌取りやがって
士郎もこっちきなよ。
経丸は綺麗な花を持ちながら笑顔で士郎を呼んだ。
殿。すごく可愛いじゃないか
士郎は戦の時とは違う経丸の表情に心臓をドキドキさせた。
殿。これはいかがでしょうか?
そう言って片倉は経丸に自分で作った、花飾りを渡した。
ありがとう。すごくいい。
あのやろうきざなことしやがって、俺が不器用だから作れないの知ってて俺にみせつけてるんだな。
片倉は士郎が不器用なことなど知らない。
士郎は片倉に対して悔しくて悔しくてイライラしていたが
士郎。どう?
経丸は花飾りを頭に乗せて士郎の方を振りむいた。
士郎は照れて経丸の顔も見れずに自分の顔を赤くして
小さい声で
いいんじゃないですか。
もっと褒めてくれてもいいのに。
本当はすごくいい。なんて可愛いんだ。この世の天使だ。
と言いたくても言えるような士郎ではなかった。
チクショー意気地なし
士郎は経丸のことを褒められなかった、自分を責めた。
経丸は一人離れた場所で花を摘んでいると
キャー
どうした。殿!
士郎と片倉は急いで経丸のところへむかった。
お前達なんなんだ。
俺たちは経丸様を誘拐しにやってきた。
風のように速い。弟。風神、ぎゅーた。
雷のように光り輝く、兄。雷神、ぎょーた。
おおかっこいい
天からこの世を支配する。天神にして長作の番長。デモン
ぶわぁはははー
士郎はいきなり腹を抱え転がりながら笑いだした。
なんだ、おまえは。
ねえ聞いた聞いた。デモンだって。名前デモンだってデモンって名前なのに番長だって
なんだおまえ。コラーそれと転がるんじゃねえー花がだめになるだろうが。
なんだこいつ悪者のくせに生き物係みたいな事言ってるよ。
士郎は天神達を指を指して笑った。
おい、てめー俺たち三神を舐めてっと、どうなるかわかってんのか。
泣く子も笑う三神だぞ。
泣く子も黙るですよ。番長
おまえは方言もうまく言えないのかよ。
ばーかーばーか
士郎。方言じゃなくてことわざだから。
わはは。お前の方がわかってないじゃないか
その二人のやり取りをみんな呆れてみていた。
とにかくおれを怒らせた、経丸様は俺らが誘拐する。
天神は経丸の肩をつかんだ。
おい。お前汚い手で我が殿を触るな。
片倉は鋭い目で天神を睨みつけながら言った。
天神は片倉にびびってすぐさま経丸から手を放して
いや。手は洗いました。
いや。そういう事言ってるんじゃないと思います。
なんで我が殿を拐うんだ?
番長はな、この顔だからモテないんだ。だから
余計な事をいうな
その顔で女の子を誘拐ってリアルだな。
うるせえーしかたないだろ。女の子に検便の容器って言われてる気持ちがわかるのか
うわわははは検便の容器だって
士郎は腹を抱えながら転がって笑った。
殿。こんな変態これで成敗してやります。
士郎は竹で、できた水鉄砲を出した。
どうしたんだそれは。
殿は美少女だから悪い奴に狙われるんで殿を守るために作りました。
と言いたいが言えるような士郎ではなく
いや。なんか作ってみました。
とごまかした。
ははははそんなんでこの三神を倒せると思ってるのか。
天神は口を開けて大笑いした。
いまだ。
士郎は開いた口めがけて、発射した。
ゴクン。
おい。おまえ番長に何を入れた。
発泡酒だよ。酒は人を潰す飲み物だと聞いたからな
まあ間違ってはいないけどなんかな。
わははは。発泡酒
天神はげらげら笑って転がり始めた。
お前さっき俺に転がったら怒ってたじゃないか。
さっき、わははは泣く子も笑う。
自分の間違い思い出して笑うんじゃねえー
士郎は怒って発泡酒を天神の頭にかけた。
番長どうしたんですか?
風神。雷神。天神。われら三人合わせて三神。わっははははは
番長しっかりしてください。
風神と雷神は狂った天神を止めようとした。
やばいあいつ狂ったぞ。殿逃げましょう
士郎は経丸の手を引っ張って逃げ出した。片倉も一緒に逃げた。
ああ今日はあの小僧のせいで疲れた。酒でも飲んでスッキリさせるか。
片倉は棚を開けた。
あの小僧。俺の発泡酒を使ってたのか。