2025年4月10日(木)
04:50 PM









とある放課後。
































学人

カリカリカリ……

露江

さぁて、傷心の放課後は
カラオケにでも勤しみますかぁ。

八重桜子

ちょっと、鏡野さん。

露江

なんか用?伊集院。

八重桜子

傷心ってどういう事かしら?

露江

コッチのことだよ。
ほっとけよ。

八重桜子

そうも行きませんわ。

露江

ぁん?

八重桜子

私は庶民の暮らしを学ぶために
この学舎に通っているのよ。

学人

カリカリカリ……

八重桜子

鏡野さんの痴態を
ぜひ詳しくお聞かせ願いたいわ。

露江

めんどくさいなぁ……。

八重桜子

……で、何方との恋仲が
上手く行かなかったのかしら?

露江

!!!

露江

よし、伊集院!
オマエもカラオケに来い!

八重桜子

へ!?

露江

そこでたっぷり聞かせてやるよ!

八重桜子

あら、話す気になったのかしら。

露江

アタシの美声をな!

八重桜子

ちょ……アナタの痴態を聞かせて
くれるんじゃ……。

露江

ヒトカラのつもりだったけど
観客がいたほうが盛り上がるぅ!

学人

カリカリカリ……

八重桜子

だ……だいたい私は
そういった庶民的な所には
行きませんのよ!

露江

何言ってんだい!
庶民の暮らしを学ぶんだろ!

露江

なら、カラオケは持って来いだっつーの!

八重桜子

ま……まって……

露江

レッツゴー!

八重桜子

あーれー!
お辞めになってぇー!










学人

カリカリカリ……

学人

む……!

学人

放課後は
補習に
決まっておろう!

肝田

マナビヤって……
頭悪いんだな……。























































なんでコソコソついて来るんだ?






優一

すごいね、住吉さん。
もうバレちゃった。

優一

一緒に帰ろうよ、住吉さん!





……。

プイッ





優一

あ、待ってよ、住吉さん!























コイツがいたんじゃ
目の前で変装するわけにも行かない……

家路とは違う方向へ向かって
適当なところで別れよう。

……なんだ?



優一

住吉さん、ホラあそこ。
あの木の上に引っかかってたんだよ。



チッ……
その事か。






































優一

へぇ……。
住吉さんちって
コッチの方なんだね。
僕と方向一緒だよ。

クッ……。
道を誤ったか……。

優一

今まで全然一緒になった事なかったね!
不思議だね。

いちいちカンの鋭いヤツだな……。

正直、消して沈めたいぜ。






優一

くすのき園……。

!!!







……。

迷いは禁物だ。
次の内容次第で
決断しろ。

転校生がクラスに馴染めず、
教師にも執拗に責められ、失踪。

よくある話……。

この距離から後頭部を撃ち抜けば、
痛みも感じず即死。

それがせめてものアタシの優しさだ。
















優一

……。


























\クルッ!/

優一

って何?

……はぁ?

優一

もしかして、住吉さん。
お茶漬けの新会社でも設立するの!?

あー……。

えーっと……。

そういうことにしておいてくれ。

優一

すごいね!
住吉さん!















あー……
もう、この天然を
毎回消す算段するの
すっごく面倒だ。







なぁ、オマエ……大林だっけ?

優一

!!!

優一

う、うん!

昼間のことは本当に助かった。
感謝してるよ。

優一

そんな……
僕は大したことしてないよ。

……けど、それとこれは別だ。

頼むから、アタシの事は
放って置いてくれ。

二度と関わらないでほしいんだ。

優一

!!!





























優一

……。

……。



























優一

わかった……。
ごめんね。

……悪かったな。





優一

ううん。
むしろ、ありがとう。

……?
なんで礼なんか言うんだ?

優一

実は僕、施設の出身なんだ……。

え!?

コイツもアタシとおんなじで
施設の出……。

……けど、だからって
温情をかける必要なんてないんだ。
今を持って、関係を切る。

優一

今の僕の名前は
施設で付けられた名前……。
僕の本当の名前じゃないんだ。

優一

だから、好きじゃなかったんだ。






……。






優一

でもね、さっき住吉さんが
僕の今の名前を呼んでくれた時
すごく嬉しかったんだ。

優一

初めてこの名前を
とっても誇らしいと思えたんだ。

優一

だから……。













優一

ありがとう。





……ッ。























優一

じゃあ、僕は先に行くね。

……。

優一

ホントは見送るべきなんだろうけど……。

優一

後からつけてくるとか
思わせたくないから……。









……!











優一

また、明日。







……アタシは
だいちゃんと一緒になるって
心に決めてるんだ。










\クルッ/

優一

……。












……なのに……。








優一

……ッ〜〜……。












なのに、なんで、
こんなに苦しいんだよ……。










優一

ふぇぇぇ……




ゴルァァァ!
大林ぃ!!!








優一

!!!

……。


\クルッ/

優一

……住吉さん?









命があったら
また明日な。

優一

うん!!



































……違う違う。
あれはアイサツ……。
ただのアイサツ……。






































夕焼けの中の告白

つづく

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