彼がこちらへきて数日。
私は、何故か居候として棲みついてしまった彼との同居生活を続けていた
はぁ……
どうしたの?
溜息なんてついて
ああ……ちょっとね……
転生してきた生意気男子に悩まされているなんて言えないなあ……
彼がこちらへきて数日。
私は、何故か居候として棲みついてしまった彼との同居生活を続けていた
けれど、その生活は決して円滑なものではなかった
今朝だって……
zZZ
……ん……お姉さん……
わっ
朝ですよ? 学校行かなくて大丈夫なんです?
うそっ、もうそんな時間!?
いや、まあ、まだ六時前なんですけどね
はぁ!?
いやぁ……僕、お腹空いたなあと思いまして
そんなことで起こさないでよ……
早起きは三文の徳って奴ですよ
何それ……
早起きすると何かいいことが起きるかもしれないってことです
まあ僕はそういうことわざとか迷信とか信じていませんけど
なんなのよそれ……
まあまあ
それで、僕はお腹が空きました
今日はフレンチトーストが食べたいような気分です
ワガママ言わないの!
まあ、それくらいなら作るけど
わー、ありがとうございまーす
なんで棒読みなの……
なんてことがあったりして……
やっかいなやつを呼び寄せちゃったなあ……
そんなに彼氏がほしいなら合コンでも参加したらどう?
な、なんで突然彼氏の話なの!?
ミロクが悩むとしたら、彼氏がいない問題くらいしかないかなあ、と
私、どんなキャラだと思われているの……
あ、ミロク! レミ!
あ、あれは……
やっほ~
出た、ポンコツリリコ
もう!ポンコツなんて酷いなあ!
この前の魔法の再試も落ちたんだって……?
それはたまたま……運が悪くて
運とかそういう問題じゃないでしょ
私がせっかく補習に付き合ってあげたのに……あんたって子は
そ、それは申し訳ないと思っているよ……
あれがなければ、私は彼氏とデートができたのに
わ、私もルインくんとのデートお預け食らってるもん
それは自業自得
むぅ……
…………
この子たち……
二人とも、彼氏持ちかあ……っ
はぁ……
おっと、ミロクの前で彼氏の話は禁句だったっけ
変な気は使わなくていいから
ミロクって魔法もできるし勉強もそこそこだし、そこそこ可愛いのに、なんで彼氏ができないんだろうねえ
ほんと、そうだよねえ!
……そうやって自分で肯定しちゃうとこがだめなんだと思うよ
ええっ
あ、レミ~
どうしたんだい? こんなところで
ライト!
ライト……レミの彼氏……
家が富豪で将来が約束されていて、容姿も整った生徒会長。多くの女子の憧れの元……
そんな人を捕まえられるとか……どんな魔法をつかったのやら……
何でもないよー。ただの女子トーク
へえ……まあ、仲がいいのはいいことだ
けど、付き合う友達は考えた方がいい
え?
そこの女子生徒は未だに魔法のテストが受からない落ちこぼれだろう?
そのような子と付き合っていれば君の成績が落ちてしまう
ちょ……ら、ライト
ふふ、冗談だよ
ただ、次の彼女のテスト試験官は僕だ
是非とも、恥ずかしくない結果を見せてくれたまえ
では、失礼するよ
……なんなのあの態度
…………
やっぱライトは言うことが違うなあ
え?
人が言いにくいことをズバっと言っちゃうとこが素敵~
そうだねえ
リリコも!?
あんな風に言われたら頑張らなきゃって思ってきた
早速練習だあ
……モチベーションが上がってる……!?
私も練習手伝おう~っと
あんなに嫌がっていたのに!
もう、よく分からないよ……
心配だなあ
あ……あなたは……
生徒会長さんの試験はいつも厳しいって有名だ
何事もなければいいんだけど
彼はルイン……リリコの彼氏だ
何事もって……
下手したら校舎が一つ飛んでしまうこともありえる
ええっ
うちのポンコツはやりかねないからねえ
ま、そんなとこが可愛いんだけど
突然のろけないで
彼女のことを溺愛するゆるふわ系男子。
彼もまた、多くの女子の憧れの的になっているのは間違いがない。
…………ミロクさん、何か悩みでもあるの?
え? なんで?
なんか……深刻そうな顔しているような気がしたから
そ、そんなことないわよ
ふうん……
じゃあ、僕もリリコの練習見てくるね
はーい
私は……どうしようかなあ
…………
…………
寂しい人ですね
……ど、どうしてここに!?
暇だったので
暇って……そんな理由で学校に来られても……
案外異世界っていうのも退屈なんですね
そんなこと言われても
何か面白い事でも起きないかなー
そんな簡単に……
わっ……な、何……!?
…………?
つづく