残念ながら皆さんにお伝えしなければならないことがあります

朝食の席に集まったミノルを除いた七人にエビットは重い口を開いた。

すでに食事を始めていたポールは口にパンを放り込むのをやめ、エビットの方へ顔を向けた。

他の六人はそれぞれ多様な面持ちでエビットの次の言葉を待っていた。

昨夜、訪れた日本人が死にました。
他殺です

どういうことッ!!

私は思わず、机をたたいて立ち上がる。
聞いていたルールと違う。他の動きが早すぎる。
私はエビットを睨み付け、他の者も見渡すように睨み付ける。
ある者は怯え、ある者は好奇心を寄せ、ある者は興味がない。
そして隣の席のシェミーは心配そうな顔をしていた。

まぁ、なんてこと…

ふざけるな、やっと会えたのに。

もう会えないと思っていたのに、会えた。

これがどれほど嬉しかったか。
たとえ私のことを憶えてなくても、この気持ちに偽りはなかった。さすがに目の前で知らないと言われたのはショックだった。
だけど、それでもあの人は――――!

………こんなのあんまりだ

気づけば目から涙があふれていた。

俯くと一粒、一粒が重力に従い落ちてゆく。

あらあら、そうとうショックだったのね。
知り合いだったのかしら

そういってシェミーは私の肩をなだめるように掴む。

そして私をゆっくりと席に着かせる。

シェミーは私に離れ際、耳元でこうささやいた。

ごちそうさま

私はシェミーの方へ顔をあげる。

彼女は私にしか見えない角度で、笑っていた。

私の何かが壊れていくのを感じる。

それは怒りも憎しみも全てがごっちゃになって、どろどろに溶けていく感覚。

そう、あなただったのシェミー

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