休日の過ごし方 その1
今日はオフだ。それぞれ自由な休暇をとるといい。
……なのだが、どこにもいかんのだな、お前たち。
だってねえ……こういうときくらいしか掃除もできないし。 サッサカサッサカ。
ありがたいから、いいけどな。
わかった、わかった。好きにしてくれ。俺も好きにする。
ドカッと椅子に座り、紅茶を飲み。持ってきたチラシの山を読む。
おっ なんか面白い記事、あるか!?
出生率低下、失業者の増加……
勘弁してくれ! 明るい未来はねーのか!
こんなもんだ。
あ、そうだ、アルマド、
ぎゃあ毛虫! 絶滅しろ!
完璧なフォームで投げつけられる箒! リチャードの後ろの壁にいた毛虫に吸い込まれ、吸い込まれ……ない。
俺は毛虫ではない……
あ、あら? 手元が狂ったわ? ごめん遊ばせ……オホホホ。
何か言いかけましたリチャード?
ちょっと待て、待て。お前、今の見て優しい言葉の一つもないのな……顔、地味に痛い。顔を冷やさなくては……
ファーバ・レン――
氷系魔術。威力を最小に抑え、顔の腫れを冷やす。
ああ……冷たくていい気持ちだ。助かる。
やっぱ魔術は便利よねえ。わたしも覚えようかしら。
興味あります? 隣国のアサタの魔術学校に通えば、8年で基礎が学べますよ。
ひえっ 無理だ!
それで、アルマド。さっき言いかけたことだがな。
この間の洞窟の戦いの話を聞いて、少し思ってな。魔術師と一緒に戦うときの戦略を練らんとな……
いいですよ。作戦会議しましょうか。
やれやれ……結局仕事の話じゃない。これだから男どもは。
掃除も終わったことだし買い物に出かけようかな。スネイク、アンタはどうする?
ハッ……ハッ……なんだって!?
そこに上半身裸で筋トレに勤しむ男あり。
ムキムキか! 静かにしてると思ったら!
まーいいわ。あたし一人で行ってくる。じゃあね♪
続く