雫に分かる訳ない

で、でも・・・
私にも協力できることあるはずじゃ?

そういうのいいから
何でもできるとか思わないで。雫は何も救えない・・・この状況は変えられないの!!!


そう、私には何も救えなかった
彼女の言葉は、正しかった。
「あの時、ああしていればよかった。私ならできたはず」
万能感に浸っていたあの時の自分を、今の私はどう思うのだろう。・・・馬鹿げている?・・・そうかもしれない。

私は、また救えないのかな?

伏せた瞳
長く伸びたまつ毛は、彼女の表情を隠すように伸びる

ああ、あの時はただ走ることしかできなかった。自分の正義を貫くことしかできなかった

桜花ももしかしたら・・・
私の行動を否定するのでは?
そしたら、今度こそ本当に自分の居場所がなくなるのではないのだろうか。・・・やっぱり、私はまた間違っているの?

でも、あの時の私とは違う
だから、今度こそ守れるよ

ギュっと、小さな拳を握る。
それだけで、立ち向かえる。そんな気がする。でも不安でもある

桜花は、私が守らないと

なんて、それは彼に任せればいいのかしら?私は私らしく、ゆるく桜花の補助をすればいいか。・・・こんな時は綿菓子さんに頼ってみよう

スマホを弄り、お気に入りタブから綿菓子さんのブログに飛ぶ。もう慣れてしまったこの動作。心躍るとは今の状況を指すのだろう。今、私の心は高揚という言葉では表現できないほどである

ブログ名 わたがしとかし
            ハンドルネーム 綿菓子

思いって何だっけ?
私の思っていること、それってほんとう?
世界ってすごく、たくさんの素敵で溢れているでしょ。その中の私の想いってお砂糖何杯分くらいに甘い考えなのかな?

もし、思っていることが甘いとか言われちゃったら。くるくる回してふわふわにしたら綿菓子の完成。これで、誰も傷つけなくて済むね。

でも、甘いだけじゃ物足りない。それが思いだとするならば、熱を加えて溶かしてしまおう。

貴方の中に
私の中に

想いとかして
わたがしとかし


相変わらず、内容なんて理解できない
でも、彼女の文章は、雫自信を前に歩かせてくれる力があった

読み終わった後の幸福感に浸る。溺れる

私は、前に進め!

私には、進むべき場所がある
守るべき場所があるから

もし、私の行動が考えが甘いのなら、溶かしてしまえ

とけたからって全部なくなる訳じゃない。むしろべたべた引っ付いてくる。でも、それがいいのかもしれない

お節介と言われようと、私は私のやり方で、桜花を慧人君を淳史君を・・・みんなとの居場所を守るんだ

たとえ添加物だとしても、それでもいい。この場所を守るためなら
私は、防腐剤でも甘味料でもなんでもいいの。できるだけけ長く、永くこのユートピアを維持するためなら

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