覚様、楓、お疲れ様です

っっあ~、しんどかった。またすぐ災禍と後詰めの会議あるから少し寝るわ。夜明けになったら起こしてくれ

此度はこちらもかなり被害を被ったようですからね……今は休まれてください

以津真天様、少しよろしいですか?

ん? 私か?

…………撤退する人間軍の中に、見間違いだとは思うんですけど、見たんです

本当に見間違いと思ってるなら、君は私に話したりしないさ……何を見たんだい?

柳を

何だって?

本当に柳かは分からないです一瞬だったので……けど、もし本当に柳だったのなら…………

……嬉しいかい?

ずっと……死んでしまっていると思ってたんです。けど、彼が生きていると知って本当に嬉しくて………

この乱世にも、救いがあるんだなって

……あぁ。いくら乱世だからって、嫌なことばかりじゃないさ。信じ続けていれば一縷の光は見える

人間を倒せば柳殿も取り戻せるかもしれん。頑張ろう、楓

……はいっ

ぬああああああああああああ!!!!

千狸

気は済まれましたか、災禍様

災禍

済むか大馬鹿者!! 覚め、千載一遇の機会を潰してくれおって……

千狸

覚殿は貴方のように鬼ではありません。血なまぐさく阿鼻叫喚の戦など趣味ではないのでしょう

災禍

だとしてもだ! それで人間どもを逃がして何の利益がある? 奴が嫌いな乱世が長引くだけではないか!

災禍

あの松尾弾正という人間もそうだ! 私の策を力技で押しのけ、颯爽と退いていきおった!! 人間ふぜいは私の策に惑わされていれば良いのだ!! それを奴は…………!!

千狸

…………それで、どうなさいますか?

災禍

人間が松尾の城にたどり着くまでにまだ多少時間があるな、千狸。部隊を集めて人間に化けておけ

千狸

…………そして?

災禍

松尾弾正を、殺せ!!

千狸

……御意に

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