松尾 久道

はああああああっ!!

竹内 秀政

久道様、それくらいでよろしいでしょう。あとは味方を連れて撤退するだけです

松尾 久道

折角の機会だ。少しでも鬼の数を減らすに越したことはあるまい

轟鬼

おぅおぅ、死体が動き回っとるわ

松尾 久道

お前は……新手の鬼か!

轟鬼

覚えとらんか生首よ。儂が貴様を刎ねたはずなんじゃがなぁ……化けて出てきたか

松尾 久道

黙っていれば愚弄しおって……!!

竹内 秀政

久道様、お下がりを。御老鬼、腰が曲がっておるではないか。山に籠ってお手玉でもしたらいかがか?

轟鬼

ふん、餓鬼の子守が言いよるわ。子猪の手綱を持つのは骨が折れよう?

竹内 秀政

これがなかなかどうして心地よくてな。今では自ら道を整備する位よ

竹内 秀政

邪魔者がのさばっているなら、斬り捨てるのも子守の役目、違うかな?

轟鬼

気に入ったぞ、若造

西の部隊はあらかた片付いたねぇ。このまま中央の人間も討っちまうか、兄弟?

そうだな、兄弟。面倒くさいしこのまま山に帰ってもいいとは思うけど、災禍殿に小言食らう方が、割と面倒くさいしな

そういや、東が割と脆いんだっけか。そこに助け船出しに行くのはどうだ、兄弟?

それが一番だな、兄弟。中央の前線は轟鬼の爺が出張ってるし、俺達が手ぇ貸さなくても余裕だろ

あぁ、でも援軍くらいは出しておいてやるか。お嬢、頼めるかぃ?

…………へっ? 私、ですか?

そうだね、兄弟。お嬢は初陣だし戦は経験だからね。この調子なら人間が盛り返すなんてないだろうし、丁度いいや

俺達兄弟は東の連中の援護に向かうからな。後はよろしく頼んだぜ

へっ、あっ、はっはい!

松尾 弾正

東に突破口が開いた!! 全軍東に撤退せよ!!

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