――DAY 6――
昼
樹海奥
・
・
・
祭壇前
――DAY 6――
昼
樹海奥
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祭壇前
……やあ
アダムスキーは木の根に
腰かけたまま片手を上げた。
一人……なんですね
一人で済むことだからな
邪魔者は居ない方が良い
「邪魔」……
――DAY 6――
朝
ん?
昨日アルセニーを見たって奴は?
俺は見た。顔までは見えなかったが、物陰に走って行くのをな
シャルロッタが何か見たって話もあったな
……で、セミョーンとファイーナは?
……
……
あのさ、アルセニーも怪しいと思うけど、アダムスキーも怪しいと思うんだよな
それはどうして?
また何か企んでて、3年前に邪魔されかけたから今度は先に何かしたんじゃないかって……
あとは、何かコワイ儀式の生贄にしちまうんじゃないかって話も……
………………
「邪魔」ね……
ここまで、案外あっさりと来られただろ?
……ほとんど道が無くって、迷いかけましたけど……
ヤロスラフって男は知ってるか?
?
あいつは無くなった斧の持ち主で、素人手で建てられた丸太の森小屋の所有者
つまり、木こりだ
へ?
たしかアイラトには会ってたよな
眼鏡の男だが、俺に対しての口癖は『撃ち殺してやる』、ヤロスラフとも仲が良い
職業は猟師
??
黒幕が思うほど、樹海は『未踏の地』『安全な隠し場所』じゃねぇってことさ
現に吹雪になるまでの数日、樹海の雪上に奇妙な跡を見たって証言がこいつらから出ている
奇妙な跡?
『足跡』じゃないってところに違和感を覚えないか?
……たしかに
Семь вёрст до небес всё лесом.
(天まで7露里のつもりが、どこまで行ってもまだ森の中)
……『馬鹿げた荒唐無稽な話を長々とする』って意味だ
アダムスキーはゆっくりと立ち上がった。
さて、この馬鹿げた日々を、渦中の樹海で終わらせようか