――2月20日、金曜日。
――2月20日、金曜日。
この日は登校したものの、睡魔に勝てず、殆ど寝てた。龍太郎も同じみたいだったし、正木先生の授業も自習だった。
「俺は眠いから寝る!」
と正直に発言していたらしい。
昼休憩の時、アゲハに事情を話した。凄く心配していたので「自分達に何が出来るか考えよう」って自分自身に言うように話した。
ふぁ~あ、まだ眠たいよ。
龍太郎はあれから
ずっと探してたんだよね。
叔父さんに
捕まるまで探してた。
無理するなって叱られたよ。
二人共大丈夫?
大丈夫だって、
一日二日寝なくったって。
無理しちゃ駄目だよ。
正木先生は
「るりの事は任せろ!」
って、言ってたけど……
「おめぇらは、
明日から普通に学校行け!
余計な事すんじゃねぇぞ!」
って、釘も刺されちゃったし。
多分、叔父さんのあの感じじゃ
これ以上僕達が探し回ったら、
絶対、止めに入るよ。
昨日の感じからすれば、只の家出や引き籠りとは思えない。何か……、不気味な何かを感じる。
この日の授業はあっという間に過ぎていった。
帰りの廊下でアゲハに気になる事を言われた。
先生寝るから自習って
言ってたけど、職員室に
居なかったんだって。
他の先生から偶然に聞いたみたい。どこで何してたんだろ?
私の想像では、るりを探してたんだと思う。アゲハはちょっと怪しんでるけど、るりの件に関して他に原因があるはず。
あ!?
真悠、どうしたの?
箱だよ、箱。
え!? 箱??
誕生日に貰ったあの箱。
あれやっぱり
怪しいんじゃないかな?
あれは只のアンティークでしょ。
ここ最近で何か怪しいって
言われたら、あれだよ。
だって、誰が入れたかも
今だに分かってないんだよ。
私、先生が入れたと
思ってたけど……。
そんな事も言ってたしね。
兎に角ちょっと
図書室行ってくる。
真悠。
私にも手伝わせて。
アゲハは手伝ってくれた。見当違いのものを探しているかもしれないのに……。ちょっとうるっときたけど泣いてる場合じゃない。今はどんな情報でもいいから、あの箱について探してみよう。
箱にまつわる本。もしくはあの見た事もない文字。両方について調べたけど何の手掛かりもなかった。よく本を知る先生にも聞いてみた。しかし記憶にないらしい。
それからも私達は下校時間になるまで探した。しかし何もそれらしい情報はなかった。
帰宅すると、机の上にあの箱がある。目の前にするとやはり綺麗だ。正木先生が開けようとしていたけど、やっぱり開けれない。
やっぱりこの鍵穴。鍵穴が本命かな。でも鍵なんて一緒に入ってなかったし……どうすれば……
あ!!
部屋で一人、ついつい大声を上げてしまった。そうだ、龍太郎だ。龍太郎が昨日、るりの部屋を開けていた技術・ピッキング。それでこの箱が開けれるんじゃないかな。
私は直ぐに龍太郎に連絡して、明日の朝、来てもらう事にした。
次の日へ続く
山の端さんここまでお読みいただいて&コメントありがとうございます。
セオリー道りなら初めにガツンとやるべきなんでしょうが、地味なスタートなので心配しておりました:(;゙゚'ω゚'):
完結まで、毎晩(朝?)更新なので、楽しみにして頂ければ幸いです。