――2月21日、土曜日。
――2月21日、土曜日。
昨日龍太郎に連絡した後、アゲハから連絡があって、三人で箱について調べる事になった。
自慢じゃないけど、
今迄開けられなかった
鍵はないよ。
さらっと龍太郎が凄いこと言ってる。ピッキングに使う道具を広げる龍太郎は少し楽しそうだ。
それじゃあ、始めるよ。
カッコいいとこ見せてよ。
龍太郎、期待してるよ。
龍太郎が挑戦してる間、私とアゲハはインターネットで何か分からないか検索する事になった。
全然それらしいこと
出てこないね。
やっぱり関係ないんじゃない?
う~ん、
その可能性は
高いかも。
私は家出する人とか
引き籠る人の心理状態とかを
検索してみようかな。
それの方が現実的だね。
じゃあ、
アゲハはそっちお願い。
私はやっぱり箱について
調べてみるわ。
真悠も頑張るねぇ~。
あの箱が何なのかは
何も分かってないからね。
『開かない箱』で検索してみる。
鍵を開ける業者、マジック、カラクリ箱、中にはweb小説も検索に上がった。
ついつい脱線してそのweb小説を読み進めてしまう。もしかしたら、と思ったが、内容は全然関係なかった。
う~ん、開かない。
こんな複雑な鍵、
初めて見たよ。
龍太郎最初の元気は
どうしちゃったのよ。
開けられなかった鍵は
ないんでしょ。
本当だよ。
う~ん、お昼食べてから
もう一回挑戦しよう。
お昼を済ませてから、龍太郎は鍵開けを再開し始めた。
あれ!?
どうしたの?
もしかして今の音!
開いたの?
すごぉ~い龍太郎。
泥棒にでもなれるんじゃない?
ち、違うんだ。
分かってるよ、
泥棒は冗談だよ。
いや、その、
開いたんじゃなくて
閉まったんだ。
今の音……。
どういうこと? 閉まったって、じゃあ今迄あの箱は開いていたってこと? それなら開いていたけど開けれなかった。そういうこと?
そもそもどこが開くシステムになっているのか分からないし。
中からの音が
ヒントになったんだけど
閉まっちゃうなんて。
結局、この日はそれだけだった。
検索もまともなものが引っかからなかった。
意気消沈する龍太郎が、
「友也君はそういうの強いらしいよ」って、今更感溢れるセリフ。私とアゲハは苦笑いした。
そしてアゲハが友也君に連絡をとって、明朝来てもらえる事になった。
次の日へ続く