やってやるよ!

返り討ちだ!

    先手必勝。俺はオークに突撃した

        戦闘判定ルール

     基本数値を基準にして戦う

   主人公 62 チート使用時 +33

   オーク 112

   HP 基本数値固定 

   攻撃力・防御力
      ↓
   共に基本数値分のサイコロを毎回振る

   命中判定は無し

   防御力-敵攻撃力=ダメージで判定

   例 基本数値が共に100の場合

   防御力1D100・82
  -敵攻撃力1D100・28
  =54→結果マイナスになってないので
      ノーダメージ

おら! ぶっ飛べ!

くっ!

          戦闘判定

  主人公1D62 攻撃力61 防御力5

  オーク1D112 攻撃力66 防御力5

  主人公の攻撃 5-61=-56

  オーク 56のダメージによりHP56

  オークの攻撃 5-66=61

  主人公 61のダメージによりHP1

防御する気ねぇなこいつ

        俺が踏み込むと同時

     オークは拳を握りしめ迎え撃つ

    避けようとする気配は感じられない

  真っ向で受け切ってからのカウンターと見た

上等だ。受けてみろよ!

    俺は拳の間合いに一気に踏み込む

      オークは、まだ動かない

      そこに牽制のジャブを一撃

       狙いはオークの右手首

ぐっ!

  腰を入れていない、手打ちに近い一撃だが

      こちらの速さに対応できず

       オークはまともに食らう

    痛みに顔を歪めるオーク。だが――

かってぇ。中身の詰まったゴムの塊
殴ったみてぇだな

こりゃ、下手に捕まったらアウトだな 

        俺は先制の一撃で

      オークの強さを読み取る

    明らかにこちらよりも頑強な相手に

     捕まる恐れを避け動きを変える

ちっ、この! ちょこまかと!

       フットワークを駆使し

  動きで翻弄しながらジャブを連続で叩きこむ

くそっ!

      繰り返し叩きこんだジャブと

    フットワークで翻弄されたオークに

       致命的な隙が生まれる

ここだ!

   この機を逃さず、俺は一気に踏み込む

     踏み込むと同時、腰の入った

   本命の右ストレートを顎に叩きこんだ

っ!!

       クリーンヒット!!

   狙い通り顎にぶち当たる。だが――

ヤバい!!

   ぶち当たりはしたが、撃ち抜けない

     あまりにも太く頑丈な首が

   衝撃を吸収し持ちこたえさせていた

オラぁっ!!

ガフっ!!

    ストレートを放った腕を掴まれ

    引っ張られると同時に腹に一撃

       勢い良く拳を叩きこまれ

    俺が息を詰まらせ動きを止めると

死ねや!!

      俺の首を掴み投げ飛ばす

    宙に浮くほどの勢いで投げられ

      地面に叩きつけられた

ごふっ!!

       内臓か、それとも肺か

    骨が折れたか中身が破裂したのか

       血を口から吐いてしまう

おい待て! 死ぬならそいつ
倒してから死ね!

テメーを殺す!!

心の中の復讐ノートにガルの名前をしっかり書いて

 俺はどうにか立ち上がろうとする。しかし――

無理か。もう戦うどころか
まともに動けそうにない

止めさしてやるよ

おまけに相手は
殺る気満々だしな

クソっ、こんな所で
2回目の死を迎えるってのかよ

そんなのは、ごめんだっての

       俺は何とか立ち上がり

     オークを迎え撃とうと体勢を取る

はっ! 死にぞこないが!
すぐにぶっ殺してやるよ!

   確実に近づいて来る、死のもたらし手

     それを避けるためには――

くそ。心底使いたくねぇが
しかたねぇ

あの腐れ邪神のチートだけど
まともに発動しろよ

       俺は邪神の言葉通り

   自らのチートを使おうと本気で思う

   その途端、俺の周囲は光で包まれ――

な、なんだ!?

これは――

――これが、俺?

    チート能力が発動し、TSした

          TS判定

1 人とは言ってませんよ。メスです
2 美女ですよ
3 魔法少女だ
4 メイドやで
5 ファンタジーぽい
6 美女ですよ
7 魔法少女だ
8 メイドやで
9 ファンタジーぽい
10 ロリです

判定 1D10→7

…………

なんじゃこりゃーっ!

TSはともかく魔法少女に
成るとまでは聞いてねぇぞ
あの腐れ邪神!!

    俺がチートを発動させTSした姿は

      いわゆる魔法少女姿だった

なんで服装まで変わってんだよ
スカート。スカートに
なってんじゃねぇか!!

       なんかスース―する

     その感覚に気落ちしていると

うあぁ……(ドン引き

ふん、年増め

……っ

顔赤らめんんな

  とりあえずガルにはツッコミを入れておく

くそ、それどころじゃ
ねぇってのに――

     俺は身体の調子を確かめながら

     まだ元気なオークに対峙する

痛みは無い。TSした時
体全部造り替えられたからか?

力も、上がってる
これなら、いけるか?

    俺は今の自分の状態を素早く確認し

       オークに再び突撃する

          戦闘判定

  主人公、チート発動によりHP完全回復

  基本数値も上がり、95に上昇

  判定

 主人公 1D95 攻撃力73 防御力78

 オーク 1D112 攻撃力47 防御力29

 主人公の攻撃 29-73=-44

 オーク44のダメージ HP56-44=12

 オークの攻撃 78-47=31

 マイナスになっていないのでノーダメージ

第2ラウンドだ!!

掛かって来いや!!

        先ほどと変わらず

   待ちの体勢で迎え撃つオーク。だが――

悪手だぜ、それは

なんだと!?

     チートを発動した俺の動きは
  
       先ほどよりも更に速い

    初戦の俺の動きを予想していたのか

       オークの反応は鈍かった

はんっ! この姿になって
俺がTSしただけだとでも思ったか! 

くそっ! 特殊性癖の
露出野郎ってだけじゃなかったのか! 

誰が特殊性癖だ

ガハッ!!

    ムカついたんでとりあえずキック!!

    動きの速さで翻弄し、背後の死角から

    レバーに叩きこむような蹴りを撃ち込む

まだだ!!

      攻撃はそれだけで終わらせず

     放った蹴り足を戻し切ることなく

  オークのひざ裏を打ち抜くように連撃を放つ

ぐっ!!

   俺の一撃に身体を崩し倒れ込むオーク

     その間に後ろに跳んでいた俺は

      再びオークへと突進すると

オラ! 吹っ飛べ!!

っ!!

    突進の勢いも乗せたドロップキックを

         後頭部に叩きこんだ

      その勢いに、オークは吹っ飛ぶ

やったか!?

  手応えを感じた俺は、思わず意気込むが

舐めるなよ……

こいつ、アレを食らって
起き上がるかよ……

  人間なら死んでいたような一撃を受けながら

それでも立ち上がって来るオークに俺は感嘆する

でも、ここまでだな

くそが!!

    オークが立て続けに放って来た拳を

   俺はフットワークを使って全て避け切る

    その拳に勢いはなく精彩を欠いていた

ここまでだな。これ以上は
戦っても無駄だ。死ぬだけだぞ

はっ、だからどうした
どのみち、逆らえないんだ
だったら意地を見せて死んでやる

こいつも、俺と同じで
逆らえないようにされてるのか

    俺と同じように、逆らおうとすれば

      激痛が走るようになってるのか

    オークはどこか自棄を起こすように

      戦意を高揚させて俺に対峙する

ちくしょう。戦うしか
ないのかよ……

はんっ! 怖気づいたか

ちげーよ。同類相憐れむだ
同じ戦うにしても
自分の納得する理由が欲しい
ただそれだけだよ

……はっ! 人間が……

……同意してやるよ……
お互い災難だな

…………

     無理やり訳も分からず召喚されて

      殺し合いをさせられる者同士

    さすがに共感めいた物が湧いて出たのか

   オークもどこか、相憐れむように俺を見る

気に喰わねぇな……

  同情はしないが、今の状態は気に喰わない

    どうにかならないかと悩んでいると

なにをしている! とっとと
止めを刺さんか!

テメェ……

   勝手なことを言うガルを睨み付けると

くっ! なんだその眼は!
言っておくが、気に喰わないからと
私をどうにかしようとしても無駄だぞ 

召喚奴隷は、決して召喚主を
傷付けることは叶わん
それをしようとした所で
その瞬間、貴様には激痛が走り
何も出来なくなるのだからな!

その通りだ。だからオークよ
貴様も私を睨んだ所で無駄だぞ

決して召喚主には
手を出せないのだからな!

  ドヤ顔で言う2人。なのだけど――

なぁ、ガル

なんだ貴様、戦いの最中に
それ以前に気安いぞ

いや、今の言葉で
気になったんだけどさ

召喚主に直接手を出せないのは
分かったよ。でもさ――

自分じゃない、相手の
召喚主になら、手は出せる
ってことじゃないのか?

…………

あっ……!

ちょっ、ちょっと待て

なるほどなるほど

なぁ――

……おう

チェンジで

分かった

ま、待てお前ら!!

ひっ!!

おらっ! 死ね!

ぶっ殺す♪

ぎゃー!!

せめてロリになってくれーっ!!

やかましいわーっ!!

        俺とオークの2人は

   それぞれの召喚主を交換してボコったのだ

          そして――

うぅ、すみません……
もう殴らないで……

ロリに……ロリにしか
殴られたことなかったのにぃぃぃ

汚された……うぅ……
汚されちゃったよぅ

十分に余裕あんじゃねぇか
テメェら

       俺とオークの2人は

     とりあえずそれぞれ交換して

  召喚主をボコり、現在絶賛正座させている

さ~て、どうすっかな、これから

とりあえず、またボコるか?

ひいいいいっ!
もう勘弁して下さい!

年増の、年増の拳は嫌だぁ

誰が年増だ

とはいえ、このままってのもな
元の世界に帰れれば良いんだけど…… 

帰れるぞ

……は?

召喚主の用事が済めば
自動的に元居た世界に
帰ることになってるぞ

そうでなくとも、その気になれば
召喚主がいつでも送り返せるしな

まぁ、要は、飴と鞭の
飴の部分だと思え
もしくは安全装置だ
洒落にならんのを喚んで
そのままこちらの世界に
居付かれても困るんでな

聞いてないんだが

俺もだ

そんなこと話したら
すぐに元居た世界に
帰せとか煩いだろうが

その通りだ!

だからドヤ顔で
言ってんじゃねぇっての

……で、お前らが
俺達を喚んだ理由って
なんだっけ?

兄弟子をぶっ飛ばす事だ!

弟弟子に思い知らせてやることだ!

うんうん、そうか――

じゃ、ぶっとばすか

おう

ちょっ、待てっ、これ以上は――
あーーーーーっ!!

た~す~け~て~

心の底からやかましいわ

ごふっ

きゅう

       なんか愉快な声を上げ

    2人はぶっ飛ばされて気を失った

         その途端――

……身体が

      輝きに包まれたかと思うと

     徐々に体が薄くなり消えていく

これで、元居た世界に戻れる
って訳だな

……みたいだな

   俺と同じように消えていくオークは

これでくっころ姫騎士に
リベンジが出来る

     なんか訳の分からん事を言った

殺されたんかい

返り討ちされた

また殺されてしまえ

何度も殺されてたまるか!

   なんて、馬鹿馬鹿しいやり取りを最後に

     俺はこの世界から消え失せて――
















お帰り~

なんでだよっ!!

       邪神の元に帰って来た

ふざけんなーっ!
元居た世界に帰れるんじゃ
ないのかよ~

あっはっはっはっは

飽きるまで帰す訳ないじゃん

しれっと言うなや
ちくしょー!!

残念!! キミは飽きるまで
邪神のオモチャだ!!

自分で言うなーっ!!
真顔で言や良いって訳じゃねぇぞ!! 

あっはっはっはっは
うんうん、活きが良い活きが良い

これなら、まだまだ
色んな世界に放り込んでも
大丈夫そうだね

これからも楽しませてね、人間

ちっくしょーっ!!

    こうして性質の悪い邪神に捕まった

 俺の転生ライフはまだまだ続いて行くのだった

    その果ては、またまだ見えない――



  あんこっぽい物をやってみよう 第2回

 邪神の玩具として異世界転生させられるようです

    ひとまず、これにて、おしまい

邪神の玩具として異世界転生させられるようです その⑥・了

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