私は自室に置いてあるパソコンに向かい、文章を入力していく。
とりあえず、文章でも書くか。
私は自室に置いてあるパソコンに向かい、文章を入力していく。
これは、私の書いている小説の登場人物のアリアとジルの物語だ。
魔法のある世界のお嬢様と執事の。
あら、それは?
そう尋ねたのは上流階級の貴族の娘、アリアだ。
お嬢様宛てのお手紙です。どうぞ。
そう言って手紙を差し出したのはアリアの執事兼護衛役であるジルだ。
入学?こ、このわたくしがですか!?
実は、私も心配なのですが・・・・・。
また何か言われたのでしょう?仕方ありません。行きます。
なっ!?本当に行かれるのですか?
ここ、かしら?
ええ。此処であっていますよ。着いてきて下さい。
だが、そこには醜い人間同士の争いがあった。
まさか、わたくしが疎まれるとは思いもしませんでしたわ。
疎外感と孤独感に苛まれ死んでしまおう、と。
自分にナイフを向けて、刺そうとしたその時だった。
お嬢様っ!?
そこに居合わせたのは執事のジルだ。
えっ!?
とっさに止めようとしたのだろう。その手にはナイフが握られそこから血が流れていた。
ジルは、己の手から血を流して痛みを我慢しながらこう言った。
いけません。少なくとも私にとっては―――。
こうして彼女は決意をする。この箱庭のような場所で必ず私を認めさせるのだ、と。
画してお嬢様の奮闘と冒険の物語の幕は上がったのだった。
ふぅ。・・・こんなものかな。
ほんの少し読書をしたりはしたが、ただ思いつくまま物語の文章を打ちこんだ。
・・・・・そういえば、先ほど何かが過ったような気がしたのだが私の気のせいだろうか?
コトネ、もう夜だぞー?
マジか
おう。マジだ。
会話から、どうやら私はまた没頭していたらしいことを察する。
集中しているとどうも周囲の音まで気にならなくなってしまうようで今までにも何度かあったからだ。
今日は一旦、ここまでかな。
そう言うと私は晩御飯へと向かったのだった。