――土の国ノーム――

アズール

雪山が見えてきたわ

ラフィリア

土の国ノームです

青夜

この景色……

アズール

どうかしました?

青夜

なぜだ……見覚えがあるような……

アズール

どうゆうこと!?

青夜

いや、そんなはずはないか……すまん、気のせいだ

ラフィリア

あっ、あそこに洞窟集落があるんです

アズール

向かいましょう

アズール

お初にお目にかかります。私、水の国ウンディーネ、王女のアズールと申します

これはこれはご丁寧に。わしは土の国ノーム、国王のジャグルじゃ。そしてこれは孫のティリテ

ティリテ

ラフィちゃん!

ラフィリア

久しぶりだねティリテ

ラフィ王子か、大きくなったのう。風の国王は来ておらんのか?

ラフィリア

……

アズール

と、とりあえず疲れてるから今日はその話は――

ラフィリア

アズールさん、大丈夫です。ボクからちゃんと話します

アズール

ラフィ……

ラフィリア

ありがとうございます

ラフィリア

お父さまは……

 ラフィは一部始終を語った。
 風の王の死、魔王の再来、聖剣ヴァイスの消失。
 土の王はただじっと全てを聞いたあと、呟く。

それで聖剣シュバルツを求めて来たというわけじゃな

アズール

そうなんです。世界を救うにはもう、それしか方法がないかもしれません

ラフィリア

たとえ呪われたとしても、ボクらは必ず手に入れて帰らなきゃいけなんです!

なあに、そんなに構えることはない

アズール

ですが……聖剣ヴァイスには精神に異常をきたすような呪いがかけられていました

ラフィリア

……世界最強と謳われたボクの父でさえも

安心せい。聖剣シュバルツの恩恵は実にありがたいものじゃよ

あれは、触れた人々を浄化してくれる力がある

アズール

浄化……ですって?

みなあの祠へ病を癒やしに訪れておるぐらいじゃ

青夜

祠?

ああ。創世神の祠じゃ。ここから一山超えなければ辿りつけんがな。この星をお創りになった神様の石像がある

その台座に聖剣が祀ってあるのじゃ

青夜

そんな有り難いもんならこっちに持ってくるか、その祠の近くに移住すればいいじゃないか

そうもいかん。まず聖剣は選ばれた者しか抜けん。そもそも万年吹雪の山の中での。行くだけでも困難、まして人が住めるようなところではないのじゃ

祠へ向かうならティリテを案内に付けようぞ。寒さから守る結界術を持っておる。世界の危機じゃ。期待しておるぞ、若者たちよ

ラフィリア

……わかりました! まかせてください!

第二章 第三話『土の国』

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