相変わらず素直ね、そこは貴方の美点だわとヒロインちゃんに僕は言われた。そして、

ヒロインちゃん

それで、ティモシー、貴方はジュリオ王子の事をどう思っているの?

ティモシー

僕は……僕は……


 再度聞かれて、僕は先ほどまでの会話を自分なりに、真摯に向き合うことにした。

 僕自身があまり見つめたくなくて、それでいて心地のいいから僕は見ないようにしていたのかもしれない。

 ジュリオ王子とのその距離感が僕にとってい心地が良かったから。

 でもそれが、ジュリオ王子の負担になっていたのだろうか?

 でもだったら、

ティモシー

どうして婚約破棄、したんだろう?

ヒロインちゃん

押して駄目なら引いてみろ作戦よ。まさかここまで、のほほんとするとは思わなかったもの

ティモシー

……ヒロインちゃんが婚約破棄の話について詳しすぎる気がする

ヒロインちゃん

発案者は私だからね


 実は今回の婚約破棄の黒幕は、ヒロインちゃんだったのだ!

 だがそれも、ジュリオ王子の僕が好きな気持ちがあったわけで、

ティモシー

僕、ジュリオ王子を怒らせちゃった。どうしよう

ヒロインちゃん

だったら謝りに行ったら。というか何をしたの? ……いえ、言わなくてもいいわ。いつもみたいにイチャイチャしていたんでしょう?

ティモシー

い、いつもみたいにって僕は……

ヒロインちゃん

違うの? だからジュリオ王子もたえきれなくなったのだと思うけれど

ティモシー

……

ヒロインちゃん

自分の気持ち、言ってみなさい


 そう優しくヒロインちゃんに問いかけられて僕は、

ティモシー

僕はジュリオ王子が好きで、だからその、謝りたい

ヒロインちゃん

よくできました。じゃあ早速行くわよ

ティモシー

え?

ヒロインちゃん

思い立ったが吉日よ、さあ、行きましょ!


 そう言ってヒロインちゃんは、僕の手を引いてジュリオ王子の別荘に向かったのだった。

pagetop