ヒロインちゃんが、ジュリオ王子が僕一筋だと告げた。でも、
ヒロインちゃんが、ジュリオ王子が僕一筋だと告げた。でも、
婚約破棄書がそんな風だなんてどうしてヒロインちゃんが分かるんだ
あの王子がダメダメだから、この作戦を考えたのよ。貴方も貴方でいい子だけれどアホだし
あ、アホ……
そうよ、わたしの当て馬をいつまでやっているつもりなの? ジュリオ王子が好きな癖に、言い訳に使われる私の身にもなりなさいよ
べ、別に言い訳では……僕、ヒロインちゃんは可愛いと思うし
じゃあ、キスしたい?
……抱きつきたい?
……で、ジュリオ王子とは?
そうヒロインちゃんが言った瞬間、頭の中で先ほどされたジュリオ王子とのキスが思い出されて、僕の頬が熱くなる。
しかも胸の鼓動が速くなって、
もういい、分かったわ
ヒロインちゃんが死んだ魚のような目になって僕に告げた。
何が分かったのだろうと僕が思っていると、僕の顔を半眼でヒロインちゃんは見てから、
貴方、ジュリオ王子が恋愛感情で好きね
え? べ、別に僕は……
じゃあジュリオ王子に他の女に誘惑させるけれど、いいわね? 男でもいいわ、貴方にそっくりな、ね
! い、嫌だ、何でそんな……
どうして嫌なの? 好きでもないなら構わないでしょ
で、でも“親友”だし
どうしてそんな“親友”……待てよ? ティモシー、貴方前に“親友”だからジュリオ王子にされるんだとか言っていたことがあったわね
そこでヒロインちゃんが変な事に気付いたというかのような青い顔で僕に聞いてきた。
だから今までジュリオ王子が“親友”といってしてきたことを告げた。
……それは、ジュリオ王子の欲望であって、“親友”かどうかは関係ないから
え?
それぐらい貴方に触れたくて堪らなかったのね。それを我慢しているあの王子……私にまで聞いてくるあたり、追い詰められているわね
? 相談されたの?
そうよ、そして私がどんな気持ちを貴方にいだいているか探りに来たの
ヒ、ヒロインちゃんは僕をどう思っているの?
ただの仲のいいお友達。本当の“親友”よ。どう? 嬉しい?
そう言われて僕は、嬉しいと思ったので頷いたのだった。