ドレス姿にされて頭には花をかたどったヘッドドレス、そしてニーソ……。

ティモシー

くう、全力で下着はご遠慮したけれど、何だかスース―する。どうして“また”僕はこんな格好に

ジュリオ王子

よく似合っているじゃないか。可愛い“俺の”ティモシーにはよく似合うな~

ティモシー

何が可愛いだ! 僕はもっと格好良く男の服を着こなしてみたいんだ!

ジュリオ王子

前に男性の服を着ていたら男装の麗人に間違われたのをそんなに気にしているのか?

ティモシー

……僕が忘れたくてたまらない暗黒の記憶をどうしてジュリオ王子は呼び覚ますんだ!


 僕が涙目で言い返すとジュリオ王子は笑って、

ジュリオ王子

いや、ティモシーは可愛いから仕方がないな

ティモシー

く、もういい。この格好で畑というかこの近くを耕して、ドレスを泥まみれにしてやる!

ジュリオ王子

脱がして別の服を着せる楽しみが増えるから、それはそれでいいな

ティモシー

……


 嬉しそうにジュリオ王子が言うのを聞きながら僕は、そのうちぎゃふんと言わせてやると決めたのだった。

 ジュリオ王子の別荘の一角には、これから花を植えるための場所があった。

 そこをちょっとした実験も兼ねて、野菜を育てようとした。

 だが温泉をかけるとよく育つらしいので、事前に温泉の水を撒いてから、丁度、ラディッシュの種をまいた。

 ラディッシュは小さくすぐ成長する植物で、それに魔法をかけるとすぐに成長するのだ。

 というわけでまたも触手生物になってたまるかと思った僕は、魔法を使って成長させたのだが、

※ティモシーのイメージ映像です。実際はこんなに不気味な形ではありません

ティモシー

う、うわぁああああああ

ジュリオ王子

ああ、やっぱり

ティモシー

ジュリオ王子は見てないで助けて!

ジュリオ王子

しかもティモシーの育てる触手は、大抵ご主人様であるティモシーを襲うんだよな。どういう育て方をしているんだろうな

ティモシー

冷静に言っていないで助けてぇぇぇぇ


 触手に襲われかかった僕は、悲鳴を上げた所でようやくジュリオに助けられたのだった。

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