お風呂に先に使っていた僕は、やっぱり温泉っていいなと思った。

 この温泉のお湯を使って野菜を育てると美味しいらしい。

 そんな話を思い出してぜひ試してみたいな、と僕が思っていると温泉にジュリオ王子が入ってきた。

ジュリオ王子

楽しそうな顔だな

ティモシー

うん、この温泉を使って、野菜を育ててみようと思うんだ。美味しいものが出来るって聞いたから

ジュリオ王子

またティモシーの触手プレイを俺は見れるわけか

ティモシー

! こ、今度は失敗しないよ! それに、最後の方は失敗しなかったし

ジュリオ王子

気を緩めると、すぐにティモシーは失敗するからな。……じゃあこの温泉に入ったあと少しだけやってみるか?

ティモシー

でもせっかく綺麗にしたのに?


 
 僕がそう聞くと、何故かじっと僕をジュリオ王子が見てから、

ジュリオ王子

まあアップルパイも食べたいし、一日や二日程度、うん、大丈夫

ティモシー

どうしたの?

ジュリオ王子

いや、“獲物”を狩りに行くかどうかだな

ティモシー

そういえばそんな事を言っていたね

ジュリオ王子

もう少しティモシーと遊ぶのもいいかと思って……そう言うと、あのヒロイナ嬢に“へたれ”って言われるんだよな


 遠い目をして呟いたジュリオ王子。

 でも今の話でどうして“ヘタレ”になるんだろうなと僕は思ったが、それ以上は聞かずにそっと僕はジュリオ王子と手を繋いだ。

 なんとなくこうすると心地がいいのだ。

 するとジュリオ王子が珍しく笑って、

ジュリオ王子

こうやって手を繋ぐと安心するのか?

ティモシー

うん

ジュリオ王子

そうか……


 僕が頷くと更にジュリオ王子が嬉しそうに笑う。

 何だか気持ちのいい時間だなと僕がほのぼのするも、僕が絶望的な悲鳴を上げることになるのは、そのすぐ後の事だった。

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