こうして僕はジュリオ王子の別荘で温泉につかることになったのだけれど、

ジュリオ王子

着替えはこっちで用意しておくから安心しろよ

ティモシー

え? いいの?

ジュリオ王子

うん


 というわけで僕は、ジュリオ王子に服を借りることになった。

 だがやけに機嫌の良さそうなジュリオ王子に何だか僕は気になる。

 けれど、何も思いつかなかったので気のせいだと僕は片付けた。

 そして服を脱ぎ(手伝いは断った)中に入ると、広々とした浴場が目に付く。

 早速体をきれいに洗ってお風呂で黄色いアヒルさんのおもちゃを追いかけるのだと僕が思っていると、ジュリオ王子が入ってきた。

 こうしてみるとずいぶん筋肉質で男らしい体だ。

 対して僕は貧弱……。

ティモシー

やはり筋トレを、そう、これからの人生全てをかけて筋トレをするべきなのだろうか

ジュリオ王子

……ティモシーはやらないでいた方が可愛いと思うけれどな

ティモシー

僕は可愛いよりかっこいいって言われたいです

ジュリオ王子

そうか、現実は非情だな

ティモシー

……


 にやにや洗うジュリオ王子を見上げた僕は、やっぱり今日はやけに意地悪だと思う。

 そう思っているとそこでジュリオ王子が、

ジュリオ王子

じゃあ先にティモシーの体を洗ってやるよ。……いい子にしていろよ


 と言われて現れてしまった僕。

 そして洗うお手伝いをされてしまって、その後はもちろんジュリオ王子も洗うお手伝いをして、それから先に入っていていいぞとジュリオ王子には言われた。

 なので、ジュリオ王子に洗われて疲れていたのもあって、僕はジュリオ王子よりも先にお風呂に入ったのだった。

pagetop